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紅あずま(べにあずま)

beni azuma sweet potato

東京の冷え込む夕方、焼き芋の香りが今も商店街に漂います。近年は、しっとりとして甘みの強い品種を推す売り手が多いものの、紅あずまはかつて、東京周辺の関東一円でほくほく系の定番を代表する品種でした。紅あずま(べにあずま)は、さつまいもの品種のひとつで、皮は深い赤紫色をしています。黄色い粉質の肉質は、オーブンや蒸し器でもほくほくに仕上がります。

このガイドでは、紅あずまの味わい、産地、買い時を解説します。また、紅はるか、安納芋、鳴門金時ともこの品種を比較します。そのあとで、調理法、栄養データ、保存のコツを紹介します。事実関係の多くは、日本の品種登録簿、国の研究報告、公式の食品成分表に基づいています。

目次

紅あずまとは?

ひとことで言えば、紅あずまは1980年代に東日本向けの国の育種事業から生まれた食用さつまいもです。育種家は、関東の育種系統を、多収で知られるコガネセンガンと交配しました。コガネセンガンは九州のさつまいも焼酎の生産と深く結びついた品種です。早くから肥大し、収量が多く、しかも味がよい芋を目指しました。公式の試験で食味が高く評価され、この新品種はまたたく間に関東へ広まりました。

基本情報

紅あずま

日本語名
紅あずま。正式な登録名はベニアズマ
別の表記
ベニアズマ(登録名)
種類
食用さつまいもの品種(Ipomoea batatas)
交配親
関東85号とコガネセンガン(公式の登録簿では、第一の親を関東859号と記載)
登録
1984年に出願、1985年7月18日に登録(登録番号892)、農林36号
皮と肉質
濃い赤から赤紫色の皮、黄色い肉質
食感
粉質で繊維が少なく、加熱するとほくほく
主な産地
関東、とくに茨城県と千葉県
収穫期
主に10月と11月。夏から早掘りも行われる
おすすめの用途
焼き芋、天ぷら、大学芋、和菓子

紅あずまの意味と読み方

名前は2つの部分からできています。「紅(べに)」は紅色を意味し、皮の色を指します。一方「あずま」は、日本の東国を指す古い言葉です。日本いも類研究会によると、この名前は皮の色を表し、育種家がこの芋の普及を見込んだ地域も反映しています。

読みは「べにあずま」です。登録簿ではカタカナでベニアズマと書かれますが、店や農家では紅あずまと書くのが一般的です。

紅あずまが日本で広まるまで

農林水産省の品種表には、紅あずまは、承認された品種に付く国の登録番号である農林36号として載っており、地方の育種番号は関東91号です。その後、国の農業研究センターの育種家が1984年に選抜して命名しました。同年3月の出願を経て、日本は1985年7月18日に、登録番号892としてこの品種を登録しました。この経過が、1984年とする資料と1985年とする資料がある理由です。

2つの親はそれぞれ役割を果たしました。関東85号は魅力的な皮の色と形を、コガネセンガンは早い肥大と良好な肉質を加えました。登録データベースは第一の親を関東859号と書いており、品種表とは表記が異なります。登録簿は、早掘りへの適性も「高」と分類しています。

生産者が切り替えた理由は十分にありました。たとえば農林水産省の表は、紅あずまを病気に強く、早くから肥大し、収量が多い品種と評価しています。ほかの害虫には弱い面もありましたが、全体のバランスがよかったのです。その結果、農研機構による紅はるかの報告書は、のちに紅あずまを関東でもっとも広く栽培された食用品種と述べました。同じ報告書は、その人気を、ほくほくした粉質の肉質と強い甘みにも結びつけています。

紅あずまの作付面積が減った理由

紅あずまのピークは世紀の変わり目ごろでした。実際、農林水産省のデータによると、1990年には日本全体のさつまいも作付面積の18.1%を占めていました。この割合は2000年に32.0%へ上昇しました。しかし2022年には、暫定値で9.2%まで下がっています。その間に、紅はるかは2022年に暫定値で21.9%のシェアに達しました。

日本のさつまいも全作付面積(全用途)に占める紅あずまの割合

199018.1%
200032.0%
201024.4%
20229.2%

出典:農林水産省「さつまいもをめぐる情勢」(2025年5月)。2022年の数値は暫定値。同年の紅はるかは21.9%。

なぜ減ったのでしょうか。農林水産省は、紅はるかやシルクスイートのような、しっとりして甘みの強い品種が生鮮市場で伸びたと説明しています。一方で、和菓子メーカーはほくほく系の紅あずまに頼っています。農林水産省の2025年5月の報告書は、いま原料の生芋を十分に確保するのに苦労していると指摘しています。ほくほく系のファンとしては、少し寂しいことです。スーパーの棚を見渡しても、この名前をまったく見かけない理由でもあります。

紅あずまの産地

紅あずまは関東のもので、なかでも東京の北東と東にある茨城県と千葉県が中心です。茨城県農業総合センターの論文には、紅あずまが県の食用さつまいも作付けの約75%を占めていた時期が記されています。この割合は研究期間のもので、現在の数字ではありません。それでも、1つの品種が地域をどれほど完全に形づくったかがわかります。

両県は今も主要な産地です。たとえば2024年に農林水産省は、全品種合計で茨城県7,800ヘクタール、千葉県3,400ヘクタールのさつまいも作付けを記録しました。茨城県の海沿いの町、大洗町では、JAグループ茨城によると、農家が水はけのよい赤い火山灰土で紅あずまを育てています。同じページは、鉾田市と行方市も県内の主要なさつまいも産地として挙げています。

農林水産省は、茨城県が収穫の相当な割合を加工業者へ出荷していることにも触れています。とくに多くは干し芋(かみごたえのある乾燥さつまいも)や、あめをからめた大学芋になります。

紅あずまの見た目と味わい

紅あずまの見た目と味わい

赤い皮と黄色い肉質

紅あずまの芋は細長い紡錘形で、両端に向かって細くなります。登録簿は、地色を赤とし、濃い紫の色みがあると記しています。実物を見ると、深い紅紫色に見えます。芋によっては少しごつごつしていて、側面に浅い溝や小さな根の跡があることもあります。

内側について、登録簿は黄色い肉質と記録しています。生では淡く見え、加熱すると金色に深まります。アメリカのさつまいものように鮮やかなオレンジ色の肉質を期待する人は、意外に感じるでしょう。日本の有名な品種の多くは、むしろ黄色や白っぽい肉質で、紅あずまもまさにそうです。

ほくほくで栗のような食感

公式の記録は、蒸した紅あずまの肉質を、繊維が少ない粉質に分類しています。日本の料理人はこのタイプを「ほくほく」と呼びます。熱いものを割ると、肉質はスプーンにくっつかず、湯気の立つ乾いたかけらになってほろりと崩れます。焼いたラセットポテトが食感のおおよその目安になりますが、味はずっと甘いです。

多くの人が、その味を栗のようだと表現します。たとえば大洗の生産者は、甘みと香りを栗にたとえています。これは実験室の結果ではなく、風味の表現として受け取っています。それでも、塩をひとつまみ加えると、その似ぐあいが理解しやすくなり、この比喩が定着したのにも理由があります。

ほくほく? それともねっとり?

日本の買い物客は、さつまいもをよく2つの陣営に分けます。ほくほくは、紅あずまや鳴門金時のような粉質のタイプを指します。これに対してねっとりは、紅はるかや安納芋のような、しっとりして粘りのあるタイプを指します。どちらかが完全に勝つわけではなく、それぞれ合う料理が違うだけです。

紅あずまはどれくらい甘い?

甘いけれど、シロップのようではありません。実際、農研機構の育種報告書は、当時としては紅あずまを甘みが強いと評価しました。ただ、その後の新しい品種が基準を引き上げました。具体的には、農研機構は蒸したあとの糖度が高くなるように紅はるかを開発し、公式の品種紹介でもまさにその点を強調しています。

加熱の仕方でも結果は変わります。たとえば、じっくり焼くと、芋自身の酵素がでんぷんを麦芽糖に変える時間が生まれます。電子レンジで手早く加熱すると、その過程の多くが省かれるため、肉質の味は平坦になります。保存も重要で、この点は下の季節のセクションで説明します。紅あずまの公式試験に行き着く糖度(Brix)の数値が見つからなかったため、ここでは掲載していません。

紅あずまとほかの日本のさつまいもの比較

紅あずまとほかの日本のさつまいもの比較

日本には名前のついたさつまいもが数十種類あり、日本のさつまいも(薩摩芋)ガイドで主な品種を紹介しています。ここでは、紅あずまを有名な3つの品種と、甘さ、しっとり感、粉質の度合い、向く料理の4点で比較します。

紅あずまと紅はるか

多くの買い手が知りたい比較でしょう。紅はるかは、日本の南西部にある主要な島、九州にある農研機構の研究センターで生まれました。肉質はしっとりしていて、貯蔵中にさらに粘りが増し、糖度が高くなります。一方、紅あずまは粉質でほろほろと崩れやすいままです。

貯蔵性でも違いがあります。農研機構は紅はるかの貯蔵性を「易」と評価しているのに対し、紅あずまの登録では「難」とされています。では、どちらを買うべきでしょうか。クリーミーでデザートのような焼き芋なら紅はるかを選びましょう。天ぷらや煮物、昔ながらのほくほくの焼き芋なら、たいてい紅あずまが勝ちます。紅はるかのガイドでは、もう一方の側面を紹介しています。

紅あずまと安納芋

安納芋は、紅あずまからさらに遠い存在です。九州南端の鹿児島県は、その肉質を粘りがあって非常に甘いと説明しています。たとえば、加熱すると鮮やかな濃い黄色になります。1998年度に県は、地域の選抜系統である安納紅と安納こがねの2つを品種として登録しました。農林水産省はまた、鹿児島県の島である種子島の3つの自治体に結びつく地理的表示(GI)として、「種子島安納いも」の名称を保護しています。

GIの登録記録には、示唆に富む詳細が添えられています。一般的な食用さつまいもと比べて、種子島安納いもは糖分が多くでんぷんが少ないのです。これが、加熱後のしっとり粘りのある食感と強烈な甘さの説明になります。一方、紅あずまは、より粉質でほろほろした食感とすっきりした後味という、はっきりした感覚上の対比を示します。

紅あずまと鳴門金時

この2つの芋は、じつは食感では一致します。どちらもほくほく陣営に属するからです。ただし、鳴門金時は別の品種ではなく、地域ブランドです。JA全農とくしまによると、この名称は、鳴門市、徳島市、板野郡の指定された砂地の畑で育てた高系14号の芋を指します。

皮は鮮やかな紅色で、肉質は加熱すると金色になります。これに比べて紅あずまの皮は、より暗く紫がかっています。それでも台所では、どちらも天ぷら、焼き芋、お菓子に向きます。とくに天ぷらやシンプルな焼き料理など、多くの家庭料理では互いに代用できます。ただし菓子作りでは、砂糖や水分の調整が必要になることがあります。

簡易比較表

この表は違いをまとめたものです。すべての表現は相対的です。実験室での糖度(Brix)の測定値ではなく、公式または生産者の説明を反映しています。

項目紅あずま紅はるか安納芋鳴門金時
位置づけ登録品種(1985年)登録品種(2010年)地域の選抜系統。種子島のGI名称高系14号の地域ブランド
皮の色濃い赤紫色赤紫色選抜系統により異なる鮮やかな紅色
肉質の色黄色黄白色加熱すると濃い黄色金色
食感粉質でほくほくしっとり、貯蔵後は粘りが出る粘りが強くシロップのよう粉質でほくほく
甘さ中程度から強い強い非常に強い中程度から強い
向く用途天ぷら、ほくほくの焼き芋、和菓子しっとりした焼き芋、デザート、干し芋焼き芋、蒸し芋天ぷら、焼き芋、お菓子
主な産地関東(茨城、千葉)関東や九州を含む多くの地域種子島、鹿児島鳴門地域、徳島

紅あずまの旬はいつ?

紅あずまの旬はいつ?

日本での収穫期

農林水産省のさつまいも栽培の概要が、基本的な暦を示しています。一般に、農家は4月か5月に苗を植え、収穫の大半を10月と11月に掘ります。一足早く市場に出すため、6月や8月にずっと早く掘る農家もあります。登録簿が早掘りへの適性を「高」と評価しているため、紅あずまはこのやり方に向いています。

キュアリングによって、旬はさらに延びました。キュアリングでは、生産者は掘りたての芋を約30〜33℃、湿度90〜95%で約4日間置きます。すると小さな傷の上にコルク質の層ができ、腐敗と水分の損失が遅くなります。たとえば大洗町では、JAグループ茨城によると、農家が紅あずまをキュアリングしたうえで13〜15℃で貯蔵しています。そのため、秋から冬が、見つかる確率のいちばん高い時期です。

貯蔵で風味がよくなる理由

多くの訪問者が見落としている事実があります。意外なことに、掘りたてのさつまいもが必ずしも一番甘いわけではありません。貯蔵中にでんぷんの一部がゆっくりと糖に変わり、その速さは品種によって違います。焼き芋の供給業者向けの農研機構の技術資料は、紅はるかは早く甘くなるのに対し、紅あずまは長い貯蔵を経て徐々に甘くなると述べています。

温度も重要です。『園芸学研究』誌の研究では、涼しい環境で貯蔵するとショ糖がより速く増えることがわかりました。ただし5℃では、芋が低温障害を受けて腐敗しました。この研究は主に高系14号を使ったものなので、その具体的な数値を紅あずまに当てはめることはしません。大まかな教訓は変わりません。涼しさは助けになりますが、冷たすぎるのは害になります。

新鮮な紅あずまの選び方

買うときは、大きさの割にずっしり重く、皮が固くて色ムラのない芋を選びましょう。柔らかい部分、カビ、酸っぱいにおい、液がにじんでいる部分、深くへこんだり変色したりした箇所は、傷みや腐敗のサインかもしれないので避けます。端の近くの小さなすり傷は普通ですが、深い割れ目はよくありません。中くらいの大きさで形が整った芋は、極端に細いものや太いものより、均一に焼きやすいです。

紅あずまの調理法

粉質のさつまいもは、辛抱強く穏やかに加熱することで報われます。以下の方法は家庭の台所向けの目安で、公式な品種の仕様ではありません。大きさ、形、オーブンの癖によって時間は変わるので、数字は出発点として考えてください。

オーブンで作る紅あずまの焼き芋

オーブンの焼き芋は手間がかからず、必要なのは時間だけです。パナソニックの家庭向け料理ガイドでは、160℃に予熱したオーブンで、芋の大きさに合わせて約1時間20分焼きます。以下の手順も同じ考え方に沿っています。

オーブン焼き芋の手順

1

洗う

まず、流水の下でブラシを使って芋を洗います。皮は肉質を守るので、つけたままにします。

2

アルミホイルを使うか決める

芋をアルミホイルで包むと、一般に表面の乾燥が抑えられ、肉質が柔らかくなることがあります。包まなければ、皮は乾いた、焼き色の強い仕上がりになります。

3

低温で焼く

シートを敷いたトレイにのせ、160℃で焼きます。おおよその目安として、小さめの芋は約1時間、中くらいの芋は70〜90分かかることが多いです。

4

確認する

いちばん太い部分に竹串を刺します。まったく抵抗なくすっと入るはずです。

5

休ませる

最後に、オーブンを切って、芋を中に10〜15分置きます。中心がやさしく仕上がります。

なぜこんなに低温なのか。穏やかな熱は、酵素がでんぷんを変換する温度帯に肉質を長くとどめるため、芋がより甘くなるからです。焼き芋ガイドでは、この方法の背景にある石焼き文化を説明しています。

蒸す・ゆでる紅あずま

蒸すと、ほくほくした食感がもっともよく引き立ちます。芋を厚さ2〜3cmの輪切りにします。そのあと水に5分ほど浸し、約20分蒸します。水に浸すと表面のでんぷんが洗い流され、黒い斑点を防ぐのに役立ちます。仕上がったら、竹串が楽に通るはずです。

ゆでることもできますが、粉質の肉質は端が崩れやすい傾向があります。それを抑えるには、水から入れて、鍋を静かな弱火に保ちます。煮物にするなら、だし汁に少量のしょうゆとみりん(甘い料理用の酒)を加えて煮ます。粉質のさつまいもは煮汁をおいしく吸いますが、扱いは優しくしてください。

紅あずまの天ぷら

天ぷらは、紅あずまがもっとも輝く料理かもしれません。粉質の肉質は、ねっとりせず、さくっとした衣の下でほくほくのままです。厚さ約1cmの輪切りにして、短時間水に浸し、水気をしっかり拭き取ります。エビよりやや低い約160〜170℃で揚げ、衣が色づく前に中心が柔らかくなるようにします。JAグループ茨城も、紅あずまには天ぷらと芋けんぴ風のスティックフライをすすめています。

紅あずまの人気料理

紅あずまの人気料理

紅あずまのしっかりした粉質の肉質は、甘い料理にも塩気のある料理にも同じようによく合います。とくに力を発揮する料理を紹介します。

大学芋

大学芋は、揚げたさつまいものかたまりに、しょうゆを少し加えたつやのある砂糖のシロップをからめ、黒ごまをふった料理です。でんぷんが多いため、粉質の品種は、蜜の下でも心地よい歯ごたえを保ちます。大学芋の記事では、名前の由来と作り方を解説しています。

さつまいもごはん

さつまいもごはんは、シンプルな秋の炊き込みごはんです。炊飯器のカップで米2合に、中くらいの紅あずま1本を1.5cmの角切りにして使います。そこに酒大さじ1と塩小さじ半分を加えます。いつも通りに炊いたら、さっくり混ぜ、上に黒ごまを散らします。角切りは大きさをそろえ、炊き上がったごはんはやさしく混ぜてください。粉質の紅あずまは、強く混ぜると崩れやすいからです。

みそ汁と塩味の料理

みそ汁にさつまいもを入れるのは、最初は意外に聞こえるかもしれません。でも日本の家庭では意外とよく登場し、とくに豚肉と野菜のボリュームあるみそ汁、豚汁にはよく入っています。さつまいもの甘みは、塩気のあるみそをやわらげてもくれます。紅あずまは煮物にも合い、スティック状に揚げれば、ごはんのお供の手軽な副菜になります。

和風のさつまいもデザート

ほくほくした品種は、つぶすと乾いて形を作りやすいペーストになるため、和菓子に向きます。この性質はとくに芋ようかん(さつまいもを固めたお菓子)やスイートポテトで重要です。同様に、さつまいもきんとんも、栗の栗きんとんと同じ考え方です。これに対して、カリッとしたお菓子の芋けんぴは、農林水産省によると、たいていコガネセンガンを使います。

紅あずまの栄養

カロリーと三大栄養素

紅あずま単独の公式な栄養分析は見つかりませんでした。そのため、以下の数値は、さつまいも全般について、日本食品標準成分表(八訂)増補2023年から引用しています。数値は、皮なしの可食部100gあたりで、生と焼いたものです。

100gあたり生、皮なし焼き、皮なし
エネルギー126 kcal151 kcal
たんぱく質1.2 g1.4 g
脂質0.2 g0.2 g
炭水化物31.9 g39.0 g
食物繊維2.2 g4.5 g
カリウム480 mg500 mg
ビタミンC29 mg13 mg

日本のさつまいも全般の値であり、紅あずまの分析ではありません。出典:文部科学省 食品成分データベース、食品番号 02006 および 02008。

焼いたさつまいものほうがカロリーが高いのはなぜでしょうか。焼くと水分が抜けるため、残った栄養素が濃縮されます。焼きの項目は、100gあたりの水分を58.1gと記載しています。

食物繊維、ビタミンC、カリウム

さつまいもは、炭水化物のほかに、食物繊維、カリウム、ビタミンCを供給します。これらの表では、焼きの項目のほうが、100gあたりの食物繊維が多く記載されています。これは、調理中の大幅な水分の損失を含む、いくつかの違いを反映しています。一方、焼きの項目は100gあたりのビタミンCが少なく、加熱による損失や調理中のその他の変化を反映しています。カリウムはほぼ一定です。

紅あずまは健康的?

どんなさつまいもとも同じく、紅あずまはバランスのとれた食事にうまく組み込めます。満足感のある炭水化物と食物繊維が摂れ、そのまま焼いた芋には油も砂糖も加える必要がありません。それでも、1回の量やトッピングで状況はすぐ変わります。たとえば、バター、シロップ、揚げ調理は、かなりのカロリーを加えます。ここでは医学的な主張はしていません。健康上の問題を管理している方は、医師や管理栄養士に相談してください。

紅あずまの保存方法

最適な保存温度

さつまいもは寒さが苦手です。日本いも類研究会は、理想的な範囲を13〜15℃、湿度80〜90%としています。家庭では、芋を1本ずつ新聞紙で包み、涼しい場所の段ボール箱に入れます。閉じ込められた湿気が腐敗を招くので、芋をビニール袋に密閉するのは避けてください。

紅あずまは特に丁寧に扱ってください。公式の登録では貯蔵性が「難」に分類されているので、芋を定期的に点検し、傷んだものから使いましょう。家庭での保存期間は、温度、湿度、キュアリング、芋の状態によって大きく変わります。

  • 丸ごとの芋は、暖房器具や直射日光を避け、約13〜15℃で保存します。
  • 芋を1本ずつ紙で包み、適度な湿度を保ちます。
  • 腐敗が広がるので、傷んだ芋や切った芋から先に使います。
  • 冷蔵するのは、切ったものや加熱したさつまいもだけにします。
  • 酸っぱいにおいがしたり、柔らかくなったり、カビが出た芋は捨てます。

紅あずまは冷蔵すべき?

丸ごとの芋は冷蔵庫の外に置いてください。一般的な冷蔵庫は10℃をかなり下回るからです。研究によると、そのような寒さは低温障害や腐敗を引き起こすことがあります。一方、紅あずまを切ったり加熱したりしたあとは、冷蔵庫が適した場所になります。切った断片はぴったり包み、数日以内に使い切りましょう。

加熱した紅あずまは冷凍できる?

はい。まず、加熱した肉質をつぶすか、焼き芋をスライスします。そのあと、1回分ずつ平らにして密閉できる冷凍用袋に入れ、保存期間は地域の食品安全の指針に従ってください。解凍後は、そのまま食べるには食感が理想的でない場合、スープ、つぶしたフィリング、焼き菓子に使いましょう。

紅あずまの買い場所

紅あずまの買い場所

日本で紅あずまを買う

関東では、秋から冬にかけて、スーパー、農産物直売所、地元の産品を売る道の駅で紅あずまを探しましょう。とくに、茨城県と千葉県のJA(農業協同組合)の直売所は、見つかる確率が高いです。農家によっては箱でオンライン販売もしていますが、そうした店は通常、日本国内にしか発送しません。

ただし、探す覚悟は必要です。農林水産省の2022年の品種別シェアが示すように、棚の大部分は紅はるかとシルクスイートが占めています。表示にベニアズマまたは紅あずまと書かれていれば、見つけたことになります。ラベルに「さつまいも」としか書かれていなければ、店員にどの品種か尋ねましょう。

日本国外で紅あずまを探す

日本国外では、手に入るかどうかは住んでいる場所次第です。農林水産省の貿易統計のまとめによると、2024年の日本のさつまいも輸出額は約36億円に達しました。主な市場には、タイ、香港、シンガポール、台湾、マレーシアが含まれていました。ただしこれらの数字は全品種を対象にしているため、現地の棚に紅あずまがあることを保証するものではありません。

輸送も別のハードルです。たとえば、良い状態で日本を出た芋が、海上で低温にさらされて腐ることがあると農林水産省は指摘しています。一方、自分で育てるとなると、別の問題が生じます。紅あずまの日本での植物品種の育成者権は2000年7月に失効しましたが、生の芋や苗は、ほとんどの国で今も植物検疫の規則の対象です。何かを注文する前に、自国の輸入規制を確認してください。

ラベルで確認すること

どれも紅あずまを意味する名前

BeniazumaBeni Azumaベニアズマ紅あずま

ただし注意が必要です。「さつまいも」としか書かれていないラベルには、紅はるか、シルクスイート、あるいは鳴門金時のような高系14号の系統が入っているかもしれません。品種名そのものを探し、ラベルに産地が書かれていれば、それも確認しましょう。

紅あずまが今も日本の台所に居場所を持つ理由

紅あずまはもはや関東の畑を席巻してはおらず、数字がそれをはっきり示しています。それでも、長所は変わっていません。ほくほくした粉質の肉質と、塩やしょうゆによく合うすっきりした甘みがあります。揚げ物や焼き物でも特に力を発揮し、扱いがやさしいので、ごはん料理や煮物にも役立ちます。こうした特質が、何十年にもわたって関東のさつまいもの中心となってきました。

しっとりして飴のような焼き芋しか知らないなら、来年の秋に紅あずまを試してみてください。ゆっくり焼いて、割り、塩をひとつまみ加えます。それから紅はるかと並べて味わってみましょう。それぞれ違う理由で、どちらも好きになるかもしれません。さらに背景を知りたい方は、次の記事もどうぞ。紅小町:紅あずまが置き換えた千葉の古い品種。

紅あずまについてのよくある質問

味と調理

紅あずまは紅はるかより甘いですか?

一般的には、いいえ。農研機構は高い糖度を目指して紅はるかを開発しており、貯蔵中にさらに甘く、粘りが強くなります。紅あずまははっきり甘いものの粉質のままなので、魅力は糖分より食感にあります。調理法や貯蔵期間によって、個々の芋の結果は変わることがあります。

紅あずまは焼き芋に向いていますか?

はい、とくにほくほくした昔ながらの焼き芋が好きな方に向いています。酵素が甘みを引き出す時間を持てるよう、約160℃でゆっくり焼いてください。紅はるかのようなシロップ状の中心ではなく、ほろほろと崩れる湯気の立つ肉質が期待できます。少しの塩やバターがよく合います。

紅あずまを焼くとき、何度に設定すればよいですか?

予熱したオーブンで160℃から始めてください。中くらいの芋は通常70〜90分かかり、細いものは約1時間で焼き上がることもあります。大きさやオーブンの性能はさまざまなので、必ずいちばん太い部分を竹串で確かめてください。

紅あずまの皮は食べられますか?

はい。多くの日本の料理人は、焼き芋、天ぷら、さつまいもごはんに皮をつけたまま使います。まず流水でしっかり洗い、カビが生えた部分、深く傷んだ部分、腐った部分は取り除いてください。腐敗が表面の下まで及んでいる場合や、酸っぱいにおいがする場合は、その芋を捨てましょう。

旬、保存、購入

紅あずまの旬はいつですか?

農家は主に10月と11月に紅あずまを収穫し、夏から早掘りする農家もあります。キュアリングと管理された貯蔵のおかげで、冬の間も店頭に並ぶことが多いです。貯蔵中に徐々に甘くなるため、冬の芋のほうが初秋の芋より甘く感じられることがあります。

紅あずまは冷蔵すべきですか?

丸ごとの間は冷蔵しません。さつまいもは冷蔵庫の温度では低温障害を受けやすいため、専門的な指針は、丸ごとの芋は代わりに約13〜15℃で保存することをすすめています。冷蔵するのは、切った紅あずまや加熱した紅あずまだけにして、数日以内に使い切ってください。

日本国外で紅あずまはどこで買えますか?

とくに秋と冬に、日本食料品店や大きめのアジア系スーパーを探してみてください。タイ、香港、シンガポール、台湾、マレーシアは日本のさつまいも輸出の主な市場ですが、それらの芋がすべて紅あずまとは限りません。ラベルで品種名を確認し、芋や苗を注文する前に現地の輸入規則に従ってください。

参考資料

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About the Writer

Ryo Iwaのアバター Ryo Iwa Founder and Editor, Food in Japan

Ryo Iwa は foodinjapan.org の運営者兼編集者です。日本で生まれ育ち、各地への取材や市場めぐり、そして外国語圏の読者にはほとんど届かない日本語の一次資料をもとに記事を書いています。醸造研究機関の刊行物や業界用語集がその中心です。一次資料までたどれない数値については、その旨を記事内に明記しています。

Google マップのローカルガイドとして10年以上活動し、クチコミ1,800件以上、写真41,000枚以上を投稿。閲覧回数は数億回にのぼります。それ以前は日本・米国・英国で20年間 IT コンサルタントとして働いていました。

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