石川県では、古くから餅を食べる文化が根付いています。 たとえば、「あぶり餅」「ひっぱり餅」「とびつき餅」「栃餅」など、さまざまな餅料理が一年を通して食べられています。加賀藩の城下町としての歴史をもつ金沢市では、「五色生菓子」を楽しむことができます。
五色生菓子とは?
五色生菓子は、5種類の生菓子を詰め合わせた和菓子で、金沢では結婚式などの祝い菓子として知られています。地元では「御供え菓子」とも呼ばれています。5種それぞれは「日月山海里(じつげつさんかいり)」、すなわち「日・月・山・海・里」を表しています。
「日」は、こしあんを包んだ丸い餅の上に赤い米粉をまぶしたもの、「月」は白い饅頭です。地元では、餅(求肥)でこしあんを包み、さらに蒸した黄色いもち米で覆って作ります。最後に「海」は、波を思わせるように並べられる、あん入りのひし形の餅です。
菓子そのものと同じくらい静かな香り
控えめで、温かく、やさしい甘さ これらの菓子には、はっきりと主張する強い香りはありません。あんの淡く澄んだ香りが、そっと立ちのぼる程度で、控えめで、どこか瞑想的です。派手さよりも静けさを尊ぶ祝いの席にふさわしい、と感じられます。
実際に食べたときの食感は?
とろけるほど柔らかく、記憶に残るほど確か 餅はほとんど抵抗なくほどけ、なめらかで控えめな甘さのこしあんへとつながりますが、決して甘さが勝ちすぎません。5つの菓子はそれぞれ、微妙に異なる食感と後味を持っています。抹茶と合わせると、そのやさしい甘みがほどけるように広がり、最後のひと口の後まで余韻が続きます。
語源

「五色生菓子」という言葉は、「五色の菓子」という意味です。「五色(ごしき)」は英語で「Five Colors」を意味し、「生菓子(なまがし)」は和菓子の一種で、和菓子は日本の伝統的な菓子や飴などの総称です。
五色生菓子の歴史

慶長6年、徳川二代将軍・秀忠の娘である珠姫が、加賀藩三代藩主・前田利常に嫁ぎました。 そして加賀藩の御用菓子司が、これらの和菓子の構想を生み出しました。菓子職人の樫田吉蔵氏が、祝い菓子として五色生菓子を考案しました。
五色は「日・月・山・海・里」という天地の恵みを表し、五色生菓子はそれらへの畏敬の念を表現した菓子です。明治時代に前田家が金沢を離れた後、婚礼で五色生菓子を贈る習慣が庶民の間に定着しました。現在の金沢でも、結婚式に欠かせない祝い菓子のひとつとして、広く用いられています。
五色生菓子のレシピ

五色生菓子の材料
| 五色生菓子(2人分)の材料 | |
| <蒸し羊羹(里)生地> | |
| こしあん | 400g |
| 薄力粉 | 50g |
| もち粉 | 10g |
| 黒砂糖 | 20g |
| 塩 | 2g |
| 水あめ | 10g |
| <あん入り餅(日・海・山)生地> | |
| 上新粉 | 200g |
| もち粉 | 100g |
| 熱湯 | 300g |
| こしあん | 540g |
| わらび粉 | 30g |
| 食用色素(赤) | 5g |
| 水 | 20g |
| 道明寺粉 | 60g |
| ぬるま湯 | 50g |
| 食用色素(黄) | 5g |
| <饅頭(月)生地> | |
| 甘酒 | 25g |
| 上白糖 | 30g |
| 薄力粉 | 60g |
| こしあん | 210g |
五色生菓子の作り方
蒸し羊羹を作る
ボウルにこしあんを入れ、薄力粉、もち粉、黒砂糖、塩を加え、手でなめらかになるまで混ぜます。
濡らしたさらしを敷いた蒸し器に入れて30分蒸します。蒸し上がったらボウルに移し、木べらで均一に混ぜ、粗熱が取れるまで待ちます。
手をシロップに浸し、丸めて直径5〜6cmの円柱状に成形する。表面にシロップを塗り、熱が完全に取れるまで室温で冷ます。包丁で幅2cmに切る。
あん入り餅菓子(太陽・海・山)を作る
赤色の食用色素で色を付けた水に小ねぎを加え、ゴムベラでよく混ぜる。平らに広げて乾かす。道明寺粉は水で洗い、ざるで水気を切る。黄色の食用色素で色を付けたぬるま湯に加えてほぐし、10分置く。
上新粉ともち粉をボウルに入れてよく混ぜ、熱湯を一度に加え、粉気がなくなるまで木べらでこねる。その後、手でひとまとめにし、打ち粉を敷いたバットに移して分割する。
生地を大きく広げ、上に30gの餡をのせて包み、中央に生地を寄せてしっかり閉じる。押して平らに形を整える。半分をシロップで湿らせ、いわし粉を付けて赤く色付けする。
生地を広げ、上に30gの餡をのせて包む。
「太陽」と同様に包み、表面を水で湿らせ、黄色に色付けした道明寺粉を付ける。押して平らに形を整える。3つとも、濡らしたさらしを敷いた蒸し器に並べ、15分蒸す。
まんじゅう(月)を作る
膨張剤と甘酒をよく混ぜ、グラニュー糖を加えてさらによく混ぜる。次に薄力粉を加え、粉気がなくなるまで混ぜる。
打ち粉をしたバットに広げ、6等分に切る。生地を広げて餡をのせ、閉じ口が薄くなるように包む。
濡らしたさらしを敷いた蒸し器に並べ、スプレーで表面に水を吹きかけ、15分蒸す。蒸し上がってすぐは触らず、冷めたらラップをかけた平たい容器に移す。
五色生菓子の種類と意味

五色生菓子は、太陽・月・海・山・里を意味する5つの生菓子で構成されています。これは無病息災を願う祈りでもあります。
笹良餅
丸い形の餅に、こし餡を詰めたもの。太陽を表す赤色の米粉をまぶしています。
まんじゅう
「満月」を意味する、白く丸い麦まんじゅう。
うずら
菱形の餅にこし餡を詰め、重なる波を表して「海」を意味します。
江柄餅
こし餡を入れた丸い餅。地元の人は黄色い米粒をまぶし、栗のいがに見立てて「山」を意味します。
羊羹
丸い形の蒸し羊羹。黒い土が里を、丸い形が山を表し、「里」を意味します。
五色生菓子の食べ方は?

生菓子を器から取り出し、そのまま食べます。菓子店で詰め合わせにされた餅やまんじゅうは色鮮やかで、祝いごとのたびに感謝のしるしとして配られます。結婚式や上棟式などの場で供えられることが一般的です。
五色生菓子はどこで買える?
Koshiyama Kanseido(越山甘清堂 金沢エムザ店)

「Koshiyama Kanseido」は、伝統の手づくりの味を守り、Kanazawaならではの郷土菓子を作る和菓子店です。わっぱ型の箱に詰めたミニサイズの「五色生菓子」は、越山甘清堂では土日限定で販売されています。通常の五色生菓子よりもずっと小さく、2〜3口で食べられる大きさです。
Nakazaki Sweets Shop(なかざき生菓子店)

創業80年以上のなかざき生菓子店は、昔ながらの伝統を受け継ぎながら、人生の節目や四季折々に合わせたお菓子を作り続けています。金沢で人気の和菓子店で、素朴で親しみやすい接客も魅力のおすすめのお店です。
Matsui Fresh Confectionery(㈲松井生菓舗)

地元の人々に親しまれている、昔ながらのごく普通の和菓子店です。ショーケースをのぞくと、伝統的な和菓子がずらりと並んでいます。五色生菓子や豆餅など、どの餅菓子もおいしく、食感や味わいも良好。時間が経っても余韻が続く味です。
まとめ

Japanese sweets(Wagashi)は、Japanの伝統的な製法で作られる菓子の総称です。生菓子は、和菓子の中でも特に結び付けて語られることの多い伝統的なお菓子です。米粉と甘い餡を使い、季節を表現するために手作業で繊細な形に仕上げられます。また、水分量は30%以上です。生菓子は、美しい意匠のバリエーションが豊富なことから、和菓子の中でも特に人気の高い種類のひとつでもあります。
五色生菓子FAQ
五色生菓子とは何ですか?
五色生菓子は、石川県の伝統的な色鮮やかな5つの菓子の詰め合わせです。職人がもち、こしあん、米粉を使って作ります。太陽、月、山、海、里(村)を表す5つの異なる形で知られています。
五色生菓子はどこ発祥ですか?
五色生菓子は金沢市発祥です。江戸時代から、地元では婚礼やお祝いの特別なお菓子として親しまれてきました。
五色生菓子はどんな味ですか?
五色生菓子は、甘く上品で、どこか素朴さのある味わいです。食感はやわらかく、もちっとしてなめらか。高級な詰め合わせのもち菓子デザートに近いと感じる人も多いです。
日本で五色生菓子を食べられる場所はどこですか?
五色生菓子を味わうのに最適なのは金沢市です。歴史あるひがし茶屋街や近江町市場などが有名です。石川県内の多くの和菓子店でも販売されています。
五色生菓子はいくらですか?
五色生菓子は通常、5個1セットで1,000〜1,500円ほどです。和菓子店や美しいギフト包装の有無によって価格は異なります。
五色生菓子はベジタリアンやヴィーガンでも食べられますか?
伝統的な五色生菓子には動物性食品が一切含まれていません。ヴィーガンやベジタリアンの方も、どこでも安心して楽しめる100%植物性のデザートです。
五色生菓子の主な材料は何ですか?
五色生菓子の主な材料は、もち米、小豆、砂糖、天然の食用色素です。あんこ(小豆の餡)が、コクのある豊かな味わいを生み出します。
五色生菓子は家で作れますか?
はい、五色生菓子は自宅でも作れます。日本食材店では、白玉粉(もち米の粉)やあんこなどの主要な材料が手に入ります。これらの芸術的な形は、丁寧に練習を重ねながら少しずつ習得していきます。
五色生菓子と一般的な大福の違いは何ですか?
主な違いは、見た目の演出と文化的な役割にあります。五色生菓子は、お祝いのために自然をモチーフにした5つの決まった形が特徴である一方、通常の大福は日常のおやつ向けのシンプルな丸い形です。
五色生菓子は日本国外でも人気がありますか?
五色生菓子は、日本国外ではまだあまり知られていません。北米やヨーロッパの日本食マーケットでも見かけることはほとんどないでしょう。この非常に伝統的な職人菓子は、その文化的な意義をほぼ金沢の中だけで保ち続けています。







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