「うどん県」として知られる香川県と並んで、埼玉県もまた「うどん王国」です。生産量は全国第2位。昔から日常の食事はもちろん、冠婚葬祭などさまざまな場面でうどんが食べられてきました。大小あわせて20種類以上ものうどんがあり、昔ながらの手打ちうどんから、地元の人に愛されるB級グルメまで、埼玉のうどん文化はじつに多彩に発展してきました。ここでは、その中から熊谷うどんをご紹介します。
熊谷うどんの由来
熊谷うどんは、日本の伝統的な持ち帰り料理としても親しまれ、地元の人にも外国人にも人気があります。熊谷は五百年以上にわたり、日本有数の小麦の産地として知られてきました。江戸時代末期、熊谷の人びとの飢えを憂えた権田愛三という人物が、小麦の増産に大きく貢献したと伝えられています。
熊谷うどんは、この地域を代表する料理です。そのルーツは武蔵野うどんにあると言われています。
熊谷発祥の料理は他にもありますが、最も古く、そして最も人気があるのがこの熊谷うどんです。町おこしの中心的なメニューとして位置付けられており、地域の活性化と結び付いていることを、地元の人々は大変誇りに思っています。こうした取り組みが、熊谷うどんの始まりでもあるのでしょう。2008年には、特に認定を受けた熊谷うどんの専門店が約19店あり、いずれも埼玉県内にあります。

熊谷うどんが特別な理由
熊谷うどんの魅力は、その驚くほどの粘りと、なめらかな口当たりにあります。これは、使用している小麦粉によるものです。数種類の粉をブレンドしたうどんを出す店もありますが、いちばんのおすすめは、熊谷産小麦だけで打ったものです。ほかの一般的なパスタにはない、独特のコシと香りが楽しめるのが、熊谷うどんならではの特徴です。もっちりとして食べ応えがあり、小麦の風味が口いっぱいに広がります。粉物が好きな方なら、ぜひ一度は味わってみてほしい一品です。
つゆにもさまざまな種類があります。基本はシンプルで、長ねぎやなすなどの新鮮な野菜が入ったものが一般的です。温かいつゆに、冷たく締めたうどんをつけて食べることが多いです。肉入りのつゆにすることもできますし、カレー味のつゆでいただくスタイルもあります。

熊谷うどんの作り方
材料はとてもシンプルで、地元産の小麦粉と塩水だけです。まず小麦粉に塩水を加えて生地をこね、寝かせてから伸ばします。その後、生地を切り分けて麺にします。この一連の工程に、およそ一時間ほどかかります。
熊谷うどん作りに厳密な決まりは多くありませんが、「熊谷産の小麦を使うこと」が大切な条件となっています。

どこで食べられる?
運よく埼玉県で開催される「全国ご当地うどんサミット」の時期に日本を訪れることができれば、そこで熊谷うどんを味わえるかもしれません。できれば熊谷まで足を運び、現地で食べてみるのがおすすめです。生産から消費まで、地元で完結することが多いからです。一般的に、うどんがおいしい季節といえば夏の冷たいうどんを思い浮かべる方が多いかもしれませんが、実際にはどの季節に食べても、その魅力を十分に楽しめるはずです。

よりみち屋
本格的な手作りの熊谷うどんを味わいたいなら、ぜひ訪れてほしい一軒です。席数はあまり多くありませんが、そのぶんアットホームでくつろげる雰囲気があります。有名なキングアンバサダー熊谷ホテルのすぐ近くにあり、熊谷駅からも徒歩5分ほどと便利な立地です。2018年10月オープンと比較的新しい店ですが、すでに多くの人に知られる人気店になっています。店内でゆっくり食べるのはもちろん、急いでいる時や持ち帰りたい時にはテイクアウトも利用できます。熊谷うどんの価格はおよそ600円前後です。

くまたまや
熊谷駅構内にあり、2009年の開店以来、地元の人たちに広く親しまれている店です。この地域でも指折りのうどん店と評されており、いつでも新鮮な食材を使い、落ち着いた雰囲気の中で、感じのよい接客と行き届いたサービスが受けられます。ここでうどんを注文すると、熊谷産小麦だけで打った自家製麺に、きのこがたっぷり入った旨み豊かなつゆ、ご飯と卵が付いて、650円ほどといううれしい価格です。全体的な食事の目安も一人あたり900円前後と良心的でしょう。メニューの中でも、熊谷うどんが最もよく注文される一品です。唯一の難点を挙げるとすれば、店内に喫煙スペースがないことくらいです。
木村屋
創業百年以上の老舗で、こちらも熊谷駅の出入口からほど近い場所にあります。地元でも人気が高く、価格設定もとても良心的です。ここで熊谷うどんを食べた人の多くが、「本当に熊谷産小麦100%で作られている」と太鼓判を押しています。通常のうどんに加えて、平打ちのうどんを注文できるのも特徴です。

元祖 熊谷うどん 福福

おしゃれで落ち着いた雰囲気の店内で、この地域でも屈指のうどんを楽しめます。ここで熊谷うどんを食べた人たちからの評価も非常に高く、メニューの種類が多いので、好みがはっきりしている方でもきっと満足できるはずです。価格帯は650円から1000円ほどで、一杯あたりの麺量は約400グラムとボリュームも十分。添加物を使わない自然な味わいのうどんで、熊谷産小麦のみを使用しています。モチモチとした強いコシとなめらかな食感があり、つゆはいつでも作りたてで、香り高く仕上がっています。










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