しゃぶしゃぶは寒い冬の日に食べる料理だと思われがちですが、日本では一年を通して楽しまれており、季節ごとにさまざまな鍋料理が食べられています。本日は、しゃぶしゃぶの歴史と家庭での作り方をご紹介します。
しゃぶしゃぶとは?
しゃぶしゃぶ(しゃぶしゃぶ)は、日本の鍋料理(鍋物)の一種で、昆布だしと呼ばれる風味豊かなだし汁で肉やさまざまな野菜を煮て食べる料理です。すき焼きよりも一般的に甘さが控えめで、旨味が際立った味わいです。沸騰した鍋の湯またはスープの中に、一口大にスライスした具材をさっとくぐらせ、小鉢のたれにつけて食べます。ポン酢とごまだれが日本での代表的なつけだれです。
食卓での静かな始まり
鍋がふつふつと煮立ち始めたとき、少し不安になりました。昆布だしは驚くほど澄んでいて、本当にこれで味が足りるのだろうかと思ったのです。まずはスープをひと口。軽やかで、ほのかに甘く、とても穏やかな味。これが食卓の雰囲気を決めてくれて、自然と食べるペースもゆっくりになりました。
頃合いを覚える
薄切りの牛肉をだしにくぐらせる動きは、どこか儀式のように感じられました。長く入れすぎたら台無しになりそうで、少し心配になります。さっと引き上げると、やわらかく、なめらかで、思いのほかコクがあります。ポン酢につけると味がぐっとさわやかになり、ごまだれなら全体がまろやかになります。そのときどきでどちらを選ぶかで、味わいの印象が変わっていきます。
小さな変化が生む、続く心地よさ
野菜はそれぞれのペースで火が通っていきます。白菜は最初は歯ごたえがあり、次第にしんなりとしていきます。きのこはだしを吸って、奥行きと温かみのある味に。立ちのぼる湯気が静かに空気を満たしていきます。しゃぶしゃぶは、こちらの意識を自然と向けさせてくれる食べ方なのだと気づきました。自分で煮て、味見して、調整する。食べ終えるころにはお腹はいっぱいなのに、不思議とすっきりした気持ちになっていました。
語源

「しゃぶしゃぶ」という言葉は、鍋の中で具材を揺らすときに出る「しゃぶしゃぶ」という音を表した擬音語です。肉をスープにくぐらせたときの音が、たらいの中で手ぬぐいをすすぐときのリズミカルな水音に似ていたことから、この名前が生まれたといわれています。この名前への変更が大ヒットの最大の要因だったと考える人も多く、1958年には商標登録もされています。
しゃぶしゃぶの歴史

中国にルーツを持つ料理
しゃぶしゃぶが日本に登場したのは20世紀で、「すき焼 しゃぶしゃぶ 大阪 すえひろ」という店の開店とともに広まり、ここで現在の名前が考案されました。一説によると、しゃぶしゃぶの起源は中国の鍋料理だといわれています。フビライ・ハーンの侍医が考案したとされる北京の鍋料理「シュワンヤンロウ(涮羊肉)」です。「シュワン(涮)」は水や湯ですすぐこと、「ヤンロウ(羊肉)」は羊の肉を意味し、羊肉をスープに入れてさっと火を通して食べる料理です。
日本でのさまざまな変化
日本に伝わってからは、日本人の好みに合わせて具材や調味料が変化していきました。肉は当時手に入りにくかった羊肉から牛肉へと変わり、味つけも日本人の口に合うように工夫されました。このときに開発され、今では広く使われているのがごまだれです。また、当時は鍋の熱源に七輪(小型の炭火コンロ)が使われていましたが、熱伝導に優れた製品にするため試行錯誤を重ねた結果、現在のような形の鍋になりました。しゃぶしゃぶ鍋の中央に煙突状の筒があるのは、開発当時に七輪を使っていた名残です。これは加熱時の排気の役割を果たすとともに、鍋の直径を七輪より大きくすることで不完全燃焼を防ぐ目的もあります。
しゃぶしゃぶ誕生の経緯
多くの人の工夫の積み重ねによって生まれた料理が、日本におけるしゃぶしゃぶの原型といわれる「水炊き牛肉」です。1947年(昭和22年)、西垣光則氏がこれを「水炊き牛肉」という名前で商品化しました。この新しい味わいは人気を集め、民芸運動に関わる人々によって日本各地へと広まっていきました。鳥取市には「牛肉の湯洗い鍋」と呼ばれる料理を出す割烹店があり、こここそが日本のしゃぶしゃぶのルーツだとする説もあります。
しゃぶしゃぶのレシピ

しゃぶしゃぶの材料
| しゃぶしゃぶ(3人分)の材料 | |
| かつおだし | 30g |
| 水 | 1000g |
| 豚肉(しゃぶしゃぶ用) | 600g |
| 白菜 | 35g |
| えのき | 65g |
| 長ねぎ | 20g |
しゃぶしゃぶの作り方
鍋に水を入れます。沸騰したら火を止め、かつお節を加えて約2分おきます。
ざるにキッチンペーパー(または布)を敷き、かつお節を入れて、ゆっくりとこすりながら濾します。
お好みの野菜、ポン酢、ごまだれを用意します。
白菜は食べやすい大きさに切ります。えのきは石づきを切り落として半分に切ります。さらに、長ねぎは斜め切りにします。
鍋に水と昆布を入れて中火にかけ、沸騰直前で昆布を取り出します。
しゃぶしゃぶに使われる一般的な肉や具材は?

しゃぶしゃぶには一般的に、薄切りの豚肉や牛肉を使います。バリエーションとして、鶏むね肉やラム肉もおいしく食べられます。ほかにも、日本で人気のある魚介類としてタイ、カニ、ブリなどを使うこともあります。野菜は、定番の白菜、長ねぎ、きのこ類、薄切りの大根やにんじんといった根菜類がおすすめです。具材に特に決まりはありませんが、しゃぶしゃぶで短時間で火が通るものを選ぶのがポイントです。火が通りにくい具材は薄くスライスしましょう。肉も厚みが増すほど加熱時間が長くなり、少し硬くなりやすい一方で、食感やうまみがしっかり感じられるという良さもあります。
しゃぶしゃぶのタレ(つけダレ)

しゃぶしゃぶのタレは、だしにくぐらせた肉や野菜をつけて食べるための調味料です。しゃぶしゃぶのおいしさを左右する決め手となる存在です。
フンドーキン 甘口ごま風味ポン酢

甘口タイプのしゃぶしゃぶのタレとしておすすめされるポン酢が多くあります。酸味をおさえたまろやかな味わいが魅力です。しょうゆ特有の香りをおさえ、独自の「ポン酢専用しょうゆ」を使うことで、柑橘の自然な風味を生かしています。
ソラチ しゃぶしゃぶのたれ 醤油味

北海道で昔から親しまれている、醤油ベースのしゃぶしゃぶのタレです。この商品は「ラムしゃぶ」をおいしく食べるために作られたソースです。
ソラチ しゃぶしゃぶのたれ ごま

しゃぶしゃぶのごまだれには、ねりごま、すりごま、いりごまを使用しています。3種類のごまを使うことで、ごまの食感と香りを一層楽しめるのがポイントです。
しゃぶしゃぶ用の肉の人気ランキング

しゃぶしゃぶに使う肉にも人気ランキングがあります。「豚しゃぶ」が人気ですが、60代以上では「牛肉」を好む人が多いようです。ただし、「豚しゃぶ」は価格だけでなく、味や調理のしやすさの面からも支持されています。
- 豚肉
- 牛肉
- 豚肉と牛肉
- 豚肉と羊肉
- ラム肉
- 鶏肉
- 魚
すき焼き vs しゃぶしゃぶ

しゃぶしゃぶとすき焼きは、薄切り牛肉とよく似た野菜を使うという点で共通する鍋料理ですが、すき焼きでは肉をしっかりと火を通すために、あらかじめ焼いたり、割り下の中でじっくり煮たりします。そのため、しゃぶしゃぶでは、肉を熱いだしや湯でさっと湯通しするだけなので、卵やしょうゆベースの濃い割り下を使うことはあまりありません。しゃぶしゃぶは脂ののった牛肉をあっさりした味わいで楽しむ料理であり、すき焼きはしょうゆと砂糖で味付けした、コクのある濃い味わいが特徴です。
しゃぶしゃぶをもっとおいしくするコツ

「しゃぶしゃぶは、誰でも手早く作れるシンプルな料理というイメージが強いですが、実はもっとおいしくするためのポイントがいくつかあります。
お湯の温度は沸騰直前がベスト
肉のうま味を逃さないよう、沸騰したら火加減を少し落としてください。あくがあまり出ない程度の状態に保つのがおすすめです。
肉と野菜はどちらを先に入れる?
一般的には、だしがよく出るように、先に肉を入れてから野菜を加えるとよいとされていますが、実際には、火が通りにくい白菜の芯などの野菜から先に入れる方がよい場合もあります。特にきのこ類からはよい旨味が出ます。一度に温度が下がりすぎないよう、少しずつ入れてください。
しゃぶしゃぶ鍋について
しゃぶしゃぶ鍋はドーナツのような形をしており、中央がくぼんで煙突のように見えるのが特徴です。
高級銅製しゃぶしゃぶ鍋

銅製のしゃぶしゃぶ鍋は、熱伝導率の高さで知られており、肉を入れて一度温度が下がっても、再び沸騰するまでの時間がとても短いのが特徴です。
ステンレス製しゃぶしゃぶ鍋

手頃な価格で購入できるステンレス製のしゃぶしゃぶ鍋です。ステンレス製なのでお手入れが簡単で、サビにくく、汚れも落としやすいのが利点です。
本間製作所「パピーブランド」のしゃぶしゃぶ鍋

老舗の厨房用品メーカー、本間製作所のブランド「パピーマーク」のしゃぶしゃぶ鍋です。
しゃぶしゃぶ鍋がこの形をしている理由
鍋としては非常に特徴的な形をしていますが、なぜこのような形になっているのでしょうか。しゃぶしゃぶ鍋の形状については諸説ありますが、その中でも代表的な説をいくつかご紹介します。
昔の日本では七輪の上で使われていた
日本では、ガスコンロで調理する前に、七輪などの炭火で加熱します。そのため、この鍋をコンロの上に置いて屋内でしゃぶしゃぶをすると、一酸化炭素中毒の危険があります。中央に煙突が付いているのは、空気の通り道を作るためだという説があります。
スープが冷めにくくするため
中央に煙突があることで、鍋と火が接する面積が大きくなり、スープが冷めにくくなります。
しゃぶしゃぶが食べられる店
人形町今半(Ningyocho Imahan)

この店は牛肉へのこだわりが強く、しゃぶしゃぶを提供する店の中でも特に有名です。おいしさとやわらかさを追求し、「ソフトな脂」を多く含む牛肉を使用しているため、口に入れた瞬間にとろけるような食感が楽しめます。ゆったりとした個室もあり、会社の宴会や同窓会などにもおすすめされています。
かがやき(Kagayaki)

東京で2つ目におすすめのしゃぶしゃぶ店は、東京メトロ日比谷線・三ノ輪駅から徒歩約5分の場所にある「かがやき」です。この店では、A3〜A5ランクの国産黒毛和牛が味わえます。日によっては、サーロインやシャトーブリアンの食べ放題も楽しめます。
金蔦 六本木店(Kintsuta Roppongi)

この店は、都会の喧騒を忘れさせてくれる落ち着いた内装が特徴です。また、テーブル席に加え、最大12名まで利用できる完全個室席も用意されています。「煮込み肉鍋」は金蔦オリジナルの鍋料理で、ドーナツ型の鍋の周りに野菜を敷き詰め、その上に肉をぎっしりとのせて煮込むスタイルです。
まとめ

しゃぶしゃぶは、日本発祥の人気鍋料理で、薄切りの肉や一口大の野菜を、ぐつぐつと煮立っただしにくぐらせて食べる料理です。何千年も前の土器の時代から、日本では鍋料理が親しまれてきましたが、現在のようなしゃぶしゃぶのスタイルが登場したのは、20世紀半ばになってからです。








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