広島かき(牡蠣)を聞いたことはありますか?実は、広島県は全国一の牡蠣生産量を誇ります。2018年の日本全体の生産量は29,846トン(むき身)で、そのうち18,708トン、割合にして62.7%が広島県産でした。これは、2位の岡山県の6倍以上にあたります。この記事では、広島かきの魅力とそのルーツに迫るとともに、ぜひメモしておきたいおすすめの牡蠣料理店もご紹介します。
トップ画像:広島観光コンベンションビューロー 提供
広島かきとは?

日本料理は誰の胃袋も満足させてくれる、とよく言われます。その一例が広島かき(広島産牡蠣)で、日本でも屈指のブランド牡蠣として知られています。広島県は日本一の牡蠣産地で、全国生産量のおよそ6割を占め、国内の市場に多くを供給しています。県の魚にも指定されている広島かきは、広島県の特産品として、栄養豊富で波の穏やかな瀬戸内海で育ちます。この海域の恵みにより、殻は小ぶりながら身はふっくらとし、濃厚なうま味とコクのある味わいが広島かきの大きな特徴となっています。
起源・歴史的背景

瀬戸内海に面した広島湾の穏やかな海岸は、牡蠣の生育に理想的な環境です。太田川から流れ込む淡水と豊富なプランクトンが混ざり合い、湾内のどこでも自然のままに牡蠣が育ちます。広島湾沿岸の縄文・弥生時代の貝塚からは、マガキなどの貝殻が出土しており、牡蠣が古代の人々にとって重要な食糧であったことがわかっています。
牡蠣は何世紀にもわたり、人々の食卓を支えてきました。しかし、養殖が始まったのは室町時代末期、1532〜1555年頃だと言われています。当時の安芸国では「垂下式養殖」にあたる方法が考案されました。これは、干潟に小石を並べて牡蠣を付着させ、成長を待ってから収穫するというものです。その後、割り石式や、現在主流となっている「いかだ式垂下養殖」など、技術の発展により養殖方法は改良されていきました。その結果、広島かきの生産量は飛躍的に増加しました。
広島かきはどうやって作られる?
生産工程

広島かきは一年を通して楽しまれていますが、最もおいしい旬は11月から2月にかけてです。現在、広島の牡蠣養殖では「いかだ式垂下養殖」が主流となっています。この方法は昔の杭打ち式に似ていますが、牡蠣を付着させた養殖連(れん)をいかだから海中につり下げて育てる点が特徴です。
いかだ式垂下養殖の最初の工程は「種付け(採苗)」で、ロープを海中に吊るし、ホタテ貝殻などに牡蠣の幼生を付着させます。次に、そのロープを沿岸の棚や潮間帯に移し、「抑制」と呼ばれる作業を行います。干満によって一定時間、空気中にさらすことで成長を抑えつつ、環境変化に耐えられる強い牡蠣に育てる工程です。その後、「本垂下」と呼ばれる本格的ないかだでの養殖に移り、新たに組んだ養殖連を牡蠣いかだに吊るして、収穫までじっくり育てていきます。最後に、収穫作業が行われます。
養殖技術の発達により、多くの牡蠣を安定して収穫できるようになり、広島の産地から山陽自動車道などを通じて全国、さらに海外へと出荷されるようになりました。もともと輸送用として用いられていた独特の形状の「削船(けずりぶね)」は、販売用としても使われ、大阪のような水運の発達した地域にまで広がりました。こうして、長年珍重されてきた広島のむき身牡蠣は、今でも日本各地で消費されており、国内生産量の約7割を占めています。
牡蠣の生産が盛んな広島では、新鮮な牡蠣を楽しむ方法も実に多彩です。飲食店でさまざまな牡蠣料理を味わえるのはもちろん、「かき小屋」や「かき船」、食べ歩きのできる屋台など、自分で焼いたりテイクアウトしたりと、いろいろなスタイルで牡蠣を堪能できます。
広島かきの特徴とは?

広島かきは、殻が小ぶりである一方、身は大きくふっくらとしており、濃厚な味わいが特徴です。通常、水揚げされた牡蠣は洗浄してそのまま出荷されますが、広島かきの場合、その前段階として、アサリなどの「砂抜き」と同じように、専用のプールで一日かけて徹底的に浄化されます。この工程で、体内に蓄積された細菌などの汚れを排出し、牡蠣特有のえぐみを取り除いて、もともとのうま味を最大限に引き出します。広島県では、この浄化を行わずに生食用のむき身牡蠣を出荷することを禁じる条例が定められており、県全体で広島かきの品質を現在に至るまで安定して保つ取り組みが続けられています。

広島県では、生食用牡蠣と加熱用牡蠣の漁場を明確に区別し、非常に厳格な指定を行っています。これは、他県にはない広島独自の条例に基づくもので、特定の海域を「指定海域」として区分する仕組みです。この指定により、出荷された牡蠣がどの海域で水揚げされたものかを明確に把握できるようになっています。
広島かきの種類
広島かきは、豊かな海洋環境と長年培われた養殖技術によって、多様な品種と個性あるブランドが生み出されていることでも知られています。
まず一般的な広島かきは、殻が小さめでありながら、身は大きくふっくらとしており、濃厚な味わいが特徴です。最もおいしい旬は1月から2月頃です。
次に「かき小町」は、広島県立総合技術研究所水産海洋技術センターが開発した新しい品種で、夏場の身痩せを防ぐように育種されているため、一年を通しておいしさと栄養価を保てる牡蠣です。かき小町は、横から見ると下側の殻が丸みを帯びており、身は厚く詰まっています。
さらに、「おのせとかき小町」は宮島と大野の間の海域で養殖される高品質なブランドです。このうち、一定以上の重量に達したものを「第一流かき小町」、6月から9月にかけて収穫されるものを「夏かき かき小町」と呼びます。
そのほか、海田湾沖の「海前崎」海域で生産されるブランド牡蠣「健かき」や、天然干潟で育ったむき身牡蠣のブランド「安芸の一粒」などもあります。
これら多彩な品種・ブランドは、広島で約400年続く牡蠣養殖の歴史を背景に生まれたものであり、高品質な牡蠣づくりを支えてきた技術革新と生産者の情熱の結晶ともいえます。なかでも、かき小町は一年を通しておいしい牡蠣を提供できる革新的な品種として、ひときわ注目を集めています。
FAW
- What do Hiroshima oysters taste like?
広島かきは、濃厚なうま味とふっくらとした食感で知られています。一般的に殻は小さく、身は大きく肉厚で、主な旬は1月から2月にかけてです。この時期の牡蠣は甘みが強く、味わいが最も凝縮されています。
- What is unique about “Kaki Komachi”?
かき小町は、季節を問わず新鮮でおいしい牡蠣を楽しめる品種なので、一年中いつでも、その時期ならではの栄養と味わいを堪能できます。
おすすめの広島かき専門店
広島県の代表的な特産品である広島かきは、本場の広島市内や宮島周辺で気軽に味わうことができます。ここでは、広島かき・牡蠣料理を堪能できるおすすめの店をご紹介します。
牡蠣屋

広島・宮島のあらゆる牡蠣料理が楽しめる、牡蠣専門店として知られています。宮島で唯一の牡蠣専門レストランです。焼き牡蠣やランプ焼きを1個300円(税込)で購入できます。スタッフの男性が船舶免許を持っているため、いつでも海に出て新鮮な牡蠣を獲ってくることができ、常に新鮮な牡蠣を提供しています。かきやでは、牡蠣本来の旨味を引き出すシンプルな味付けで味わうことができます。
かきやには、牡蠣をとことん楽しみたい方のための贅沢なメニューもあります。それが「特製かきや定食」2,690円(税込)です。焼き牡蠣2個、かき飯、カキフライ、牡蠣のオイル漬け、赤だしの牡蠣汁、牡蠣の佃煮がセットになっています。
焼がきのはやし

宮島で「焼きたて」ブランド牡蠣として広島を代表する名店です。1948年創業以来、焼き牡蠣発祥の店として親しまれている牡蠣専門店。ブランド牡蠣「地御前がき」を使用し、牡蠣そのものの良さと焼きの技術が魅力の老舗です。
ここでぜひ味わってほしい名物が「焼きがき」です。伝統的な蒸し焼き牡蠣「焼きがき」4個がセットになった一皿を提供しています。牡蠣のおいしさを最大限に引き出すように焼き上げた一品で、価格は税込1,400円です。店内飲食だけでなくテイクアウトも可能です。
かきひよっこ商店

座敷とカウンターがある店内は、アットホームで活気のある雰囲気です。広島牡蠣の「食べ放題」が楽しめるお店です。牡蠣料理には広島産や江田島能美産の牡蠣を使用しています。
食べ放題メニューには、牡蠣料理食べ放題コースと、焼き牡蠣食べ放題コースがあります。「酢がき」「牡蠣グラタン」「特大焼き牡蠣」など、さまざまな牡蠣料理が楽しめます。
オイスターバーMABUI 並木店

広島の牡蠣料理を洋食と一緒に楽しめる、とても斬新なスタイルのお店です。広島産の牡蠣料理と、洋風にアレンジしたさまざまな料理が味わえる、オシャレで可愛らしい雰囲気のオイスターバーです。
取り扱う牡蠣の種類が豊富なため、殻付きの生牡蠣を食べ比べることができます。ガーリックオイスター、ピザ、グラタンなど洋風アレンジの牡蠣メニューも多彩に揃っています。ワインも約40種類用意されており、牡蠣料理との相性も抜群です。
かき船かなわ

「かき船かなわ」は、元安川に浮かぶ船の上で牡蠣料理が楽しめるレストランで、対岸には平和記念公園を望むロケーションです。フロアごとに趣が異なり、1階の「瀬戸」では本格和食を気軽に楽しめ、2階の「和久」では個室でゆったりと贅沢な料理を味わえます。
こちらは「オイスター・マリアージュ」10,800円。生牡蠣の盛り合わせとスパークリングワインのセットです。牡蠣好きにはたまらない、スパークリングワインとのおしゃれな組み合わせ。使用している牡蠣は、瀬戸内海で養殖されたオリジナルブランド「かなわの牡蠣」です。











コメント