「日本食」と聞くと、多くの人が真っ先に思い浮かべるのが「ラーメン」ではないでしょうか。この代表的な一杯は、日本が世界中で人気の旅行先である理由のひとつでもあります。いまやラーメンは日本を飛び出し、世界中で愛される存在になりました。では「東京ラーメン」とは何なのでしょう? どうして人気になったの? 作り方は? この記事が、その疑問を解決します。
東京ラーメンとは?

東京ラーメンは「醤油ラーメン」を代表する存在で、すべてのラーメンの原型ともいえる一杯です。醤油を軸に、鶏ガラスープ(場合によっては豚骨や魚介スープ)、野菜、そして中細麺で仕上げる、シンプルで王道のスタイル。いかにも定番に聞こえるかもしれませんが、その味わいは時代を超えて愛され、また食べたくなる魅力があります。時代とともに改良も進み、ゆで卵、ほうれん草、海苔、刻みねぎ、さらにはナルトまで加える店も登場し、どこか懐かしさを感じさせてくれます。
豆知識:「ナルト」と聞くとアニメのキャラクターを思い浮かべるかもしれませんが、日本で「ナルト」といえば実は「鳴門巻き」のこと。かまぼこの一種で、中央にピンクの渦巻き模様が入っています。その名前は、四国と淡路島の間にある鳴門海峡で自然に発生する「鳴門の渦潮」に由来すると考えられています。
丼から立ちのぼる、最初のひと息
箸を持つ前から、醤油と出汁の温かく香ばしい湯気がふわりと立ちのぼります。説明しがたいほど懐かしく、まるでずっと前から知っていた香りのように感じられるはずです。
静かに奥深い、ただのシンプルじゃない
味わいは澄んでいてバランスがよく、決して押しつけがましくありません。主役は醤油ですが、スープが奥行きを与えます。かき混ぜ具合によって一口ごとの印象が微妙に変わり、最後の一滴まで飽きさせません。
物語を語るトッピング
やがて店々は、ゆで卵、ほうれん草、海苔、刻みねぎ、そしてナルト(魚のすり身のかまぼこ)を加えるようになりました。これらは飾りというより自然な足し算で、初めての来店でもどこか懐かしい気持ちにさせてくれます。
東京ラーメンの歴史
起源には諸説ありますが、そのひとつでは、醤油ラーメンは明治43年(1910年)に誕生したとされています。現在は閉店した浅草の「来々軒(Kurizuken)」で、当初「東京ラーメン」という名で提供されたのが始まりだといわれます。東京ラーメンの歴史は90年代に大きく進化しました。とくに注目を集めたのが、1987年創業の「なんでんかんでん」。店主は、鶏ガラではなく豚骨スープを使うようになったのは自分が始めたのだと語っていました。その結果、深夜でも店の前に長い行列ができたそうです。
なんでんかんでんの存在に加え、1996年には「東京ラーメン」の進化に大きな転機をもたらした人気店がさらに3店登場しました。それが「麺屋武蔵」「中華そば 青葉」「くじら軒」です。これらの店は従来の作り方に縛られず、ヒットするラーメンを生み出しました。最大の貢献は、動物系スープと魚介系スープを合わせた「ダブルスープ」。さらに麺屋武蔵は、先駆的な具材として「秋刀魚フレーク」も広めました。
東京ラーメンに似たラーメン
東京ラーメン(Tokyo Ramen)は「醤油ラーメン」を代表する存在で、ラーメンの原点ともいえるスタイルです。日本の出汁に醤油だれを合わせ、中細の縮れた中華麺を使うのが一般的です。日本には、これに近い醤油ラーメンが数多くあります。
喜多方ラーメン
醤油ベースのスープと、熟成させた平打ち麺が喜多方ラーメンの特徴です。麺の幅は約4mmで、平たく縮れた形状。一般的な具材は、ねぎ、ナルト(かまぼこ)、乾燥メンマ、そして何よりチャーシュー(焼豚)またはChar Siu(Chinese BBQ Pork)です。
十文字ラーメン
スープは醤油に魚介の風味が効いています。秋田のなめらかな醤油を軽やかに使い、鰹節、煮干し、昆布から取った和風出汁を合わせます。トッピングの特徴は、メンマやナルトといった定番に加えて、揚げ物が入る点です。
白河ラーメン
白河ラーメンを特徴づけるのは、醤油味の澄んだスープです。福島県のいわゆる「ご当地ラーメン」でもあります。スープは豚骨と鶏ガラから取られ、幅にばらつきのある縮れ麺を使います。醤油の風味は軽やかでありながら、しっかりとしたコクがあります。
東京ラーメンのレシピ

材料
| 1人前の材料 | 分量 |
| 中華麺(細麺) | 200g |
| 自家製チャーシュー | 薄切り1枚 |
| チャーシューの煮汁 | 大さじ2 |
| 乾燥だし(粉末だし) | 200ml |
| Aaradashi(魚の骨のだし) | 100ml |
| 青ねぎ | 適量 |
| 醤油 | 適量 |
東京ラーメンの作り方
豚肩ロース500gを、玉ねぎ1個、指大の生姜、醤油大さじ3、粉末だし300ml、そして豚肉がしっかり浸かる程度のたっぷりの日本酒で、1〜3日漬け込みます。漬けだれごと圧力鍋に入れ、必要であれば豚肉が浸かるよう水を足し、25分煮ます。冷ましてから薄切りにします。残った煮汁はチャーシューのスープ(煮汁)になります。
丼に、スープベースのブロスと粉末ブロスをすべて入れて混ぜ合わせます。必要に応じて温め直してください。
麺を1分茹で、40秒経ったら湯切りします。
スープの上に麺をのせ、スライスしたチャーシューを加え、仕上げに青ねぎを散らします。
東京の伝説的ラーメン店5選
浅草 来々軒


戦後にラーメン発祥の地となった浅草にある、地元で長く愛されてきた人気店。野菜の甘みと豚骨・鶏ガラを調和させた昔ながらのスタイルでありながら、醤油のカエシが強く効いたやみつきになる味わいです。手もみが入ったちぢれ麺からは、古き良きラーメンの面影を感じられます。ここで注目したいのは、ラーメン店よりも先に始まっていた製麺業が、明治43年に創業している点です。
万福(è¬ç¦)


昭和4年創業、東京を代表する老舗ラーメン店。鶏ガラと煮干し(出汁)を主体とした一杯で、荻窪エリアに先駆けて魚介出汁を取り入れていた点も歴史的に興味深いです。創業以来変わらない、焼いた黄色い三角玉子が入った中華そばが名物。生姜が香る懐かしいスープには、魚介のほのかな香りと、ねぎ油が生むほどよいコクがあります。
喜楽(喜楽)


昭和28年創業。渋谷のラーメンといえば、老舗の名店として必ず名前が挙がる一軒です。揚げねぎの甘く香ばしい香り、もやしのさっぱり感、そして今では珍しくなった固茹で玉子が大きな特徴。独特の平打ち麺はスープによくなじみ、旨みをしっかり運びます。入れ替わりの激しい土地柄のなかでも、親子二代にわたり半世紀以上この味に通い続けるファンが多いお店です。
大勝軒(大å‹è»’)


昭和30年に永福町で創業した「大勝軒」は、「つけ麺」ではありません。長年にわたり行列が絶えなかったラーメンは、時代のニーズに合わせて「味を変え」続けながらも、色あせない魅力を保っています。厚いラードの層を割ると乾物の香りが立ち上り、小麦の風味が強いもちもちの麺が姿を現します。麺もスープも量が圧倒的に多く、一般的なラーメン店の2倍ほどのボリュームです。
春木屋(春木屋)


戦後、荻窪の屋台からスタートし、全国に知られる魚介系の味で「荻窪ラーメン」の名を広めた名店。煮干しと醤油の調和は、早朝から始まる丁寧な仕込みと、天候や湿度に合わせて分量を調整する細やかな気配りによって生み出されています。いわゆる「春木屋理論」――「変わらぬ味と言われるからこそ、変わり続ける」という考え方――を掲げ、全国のラーメン店に影響を与える業界の重鎮です。
まとめ
変わらぬ味わいとシンプルさゆえに、東京ラーメンはあらゆるラーメンの原点とも言えるでしょう。東京だけでなく、日本全国で今なお最も求められるラーメンの一つであるのも納得です。
ラーメンが大好きな方は、ぜひ他のkinds of ramenもチェックして、きっとあなたの味覚を虜にする一杯を見つけてください。
東京ラーメン FAQ
東京ラーメンとは何ですか?
20世紀初頭に東京で生まれた、定番の醤油ベースのラーメンです。
スープの味は何で決まりますか?
中核となる風味を決めるのは醤油(shoyu)です。店ごとに秘密の醤油ブレンドを丁寧に作り上げ、独自の味わいを生み出しています。
出汁(スープ)はどのように作りますか?
鶏骨や豚骨、乾物の魚介を煮込んで、澄んだコクと旨味のあるスープに仕上げます。
麺はどんな種類を使いますか?
あっさりしたスープによく絡む、中細のちぢれた黄色い麺を使います。
定番のトッピングは何ですか?
焼豚(チャーシュー)、メンマ、青ねぎ、そして魚のすり身のかまぼこをのせるのが定番です。
ピンクの渦巻き模様のトッピングは何ですか?
それは「Naruto」と呼ばれる、伝統的な蒸しかまぼこです。切るとピンクの渦巻き模様が現れます。
日本には東京ラーメンフェスティバルがありますか?
はい。毎年秋に駒沢オリンピック公園で、ラーメンを祝う大規模イベント「東京ラーメンショー」が開催されています。
東京ラーメン1杯の平均価格はいくらですか?
一般的な1杯は約800〜1,000円です。ミシュラン星付きの店でも、驚くほど手頃な価格に抑えています。
「ダブルスープ」方式とは何ですか?
先駆的な東京の店では、動物系スープと魚介系スープを組み合わせ、非常に複雑な旨味の風味を生み出します。
豚骨ラーメンとはどう違いますか?
豚骨は白濁した濃厚な豚骨スープを使う一方、東京ラーメンは澄んだあっさりした醤油スープが特徴です。
重い、または脂っこいですか?
いいえ。東京ラーメンは、近年の脂が多いラーメンスタイルに比べて、軽くて消化しやすいことで有名です。
スープはベジタリアンですか?
いいえ。スープは澄んで見えても、出汁のベースには鶏・豚・魚を多く使っています。
なぜ「支那そば」と呼ぶ店があるのですか?
昔ながらの店の多くは、歴史的な懐かしさを呼び起こすために、「中国風の麺」を意味するこの古典的な呼び名を使います。
麺はすすらないといけませんか?
はい。すすると熱い麺が素早く冷め、醤油の香りもよりしっかり味わえます。
どこで食べられますか?
東京の各地にある専門店、昔ながらの中華食堂、そしてモダンなレストランなどで食べられます。







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