近江牛(おうみぎゅう)

omi beef steak

近江牛の歴史

日本には300を超える銘柄牛がありますが、現在まで特に人気のある三大銘柄は、松阪牛(松阪牛)、神戸ビーフ(神戸牛)、そして近江牛(近江牛)です。近江牛は、日本三大和牛の一つであり、その歴史は今から400年以上もさかのぼり、この三つの中で最も古いとされています。近江牛は、長い期間にわたって日本の旧国名である近江国(現在の滋賀県)で飼育されてきた黒毛和種から生まれました。滋賀県東部は、牛の飼育に適した豊かな自然環境で知られています。

Ōmi Gyu / Omi Beef

徳川(江戸)時代、豊臣秀吉(日本の「三英傑」の一人)は小田原城を攻め落としました。その際、家臣の高山右近が、蒲生氏郷と細川忠興に正体不明の牛肉料理を振る舞ったとされています。1687年当時、地元では牛肉はもっぱら薬として用いられていました。そんな中、彦根藩のある人物が、牛肉を主な具材とした味噌漬け牛肉汁「本法乾」と呼ばれる料理を考案しました。薬用として使われていた牛肉は、彦根藩によって干し肉に加工され、一年のうち最も寒い時期にのみ作られていました。

これは、牛肉の自然な塩味を抑えつつ、薬としての風味を持たせるためでした。江戸時代には、多くの人々が彦根牛やその料理を薬用として販売していました。明治時代に入ると、牛や家畜を解体して各地や外国へ出荷する業者がいくつか誕生します。これをきっかけに、一般向けの家畜市場が導入されるようになりました。さらに大正から平成にかけては、家畜市場の存在が広く認知され、日本産牛肉の生産拡大が促されました。

こうした流れを経て、日本ではブランド牛を普及させるため「近江牛協会」が設立されました。それにより、近江牛の流通が自由化されるとともに、近江牛としての定義も統一されました。 

近江牛はどのように生産されるのか?

生産過程

omi Gyu / Omi Beef

近江牛は、徹底的に大切に育てられた和牛から生まれます。牛たちは、きれいで落ち着いた環境で飼われ、飲み水も常に新鮮で汚染されていないよう細心の注意が払われます。飲み水のためだけに特別な池が整備されることもあります。牛にはスイートコーンや小麦、その他厳選された穀物など、良質な飼料が与えられ、1日2回の給餌を30か月齢の終わり頃まで続けます。さらに、ときにはビールを与えたり、筋肉が硬くならないよう特別なマッサージを施したりすることもあります。これらの和牛はおおよそ生後30〜46か月(約3〜4年)で出荷されます。この時期の牛肉が、最も品質の高い肉質になるとされています。 

日本食肉格付協会によると、牛肉は歩留まり(可食部の多さ)と肉質に基づいて格付けされます。「歩留等級」は、1頭の牛からどれだけ食べられる部分が取れるかによって決まり、A・B・Cの3段階で評価され、その中でもAが最上位となります。霜降りの度合い、いわゆる「肉質等級」は、BMS(Beef Marbling Standard:牛脂肪交雑基準)によって判定され、1を最低、5を最高とする5段階の数字で表されます。そのほか、肉の色やつや、締まりときめ、脂肪の色や光沢などの要素も総合的に評価されます。

近江牛ならではの特徴とは?

Omi Gyu / Omi Beef

近江牛は日本三大和牛の一つであり、日本でも最高級クラスの牛肉として知られています。その大きな特徴は、美しい霜降りにあります。赤身の中に細かな脂肪が白い筋や斑点となって入り込み、肉をより柔らかく、風味豊かにしてくれます。また、脂の融点が25度(25℃)と他の銘柄牛より低く、口の中でとろけるような食感が楽しめるのも魅力です。脂の後味がすっきりしていることでも有名です。さらに、近江牛にはオレイン酸が多く含まれており、健康面でも注目されています。オレイン酸とは、オリーブオイルにも多く含まれる、一価不飽和脂肪酸の一種で、いわゆる「ハートヘルシー(心臓に良い)」な脂肪として知られています。

日本産牛肉の中でも、格付けでA5ランクを獲得したものは特に高価です。しかし、A5ランクの和牛が必ずしも全て味に満足できるとは限りません。多くの和牛は口の中でとろけるような食感を持っていますが、時に「旨味が足りない」と感じられることがあります。これは、牛肉中のオレイン酸がアミノ酸より多くなり過ぎることで起こります。牛肉に含まれるアミノ酸が多いほど、肉本来の旨味は強くなります。一方、オレイン酸が多いほど脂はジューシーになりますが、アミノ酸よりオレイン酸の比率が高くなり過ぎると、脂っこさばかりが目立ち、味に物足りなさを感じてしまうことがあります。つまり、理想的な牛肉とは、高いオレイン酸含有量を保ちつつ、アミノ酸もしっかりと豊富に含んでいるものだと言えます。

滋賀で近江牛を食べるなら?

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日本三大和牛はいずれも高級で、気軽に食べられる価格ではありません。しかし、その中でも近江牛は、味と価格のバランスに優れた「手の届きやすい高級牛肉」として人気があります。「上質な近江牛を、できるだけ手頃な値段で味わえる店に行きたい」と考える観光客も少なくありません。近江牛の相場は、およそ2100円(約20ドル)から1万円(約92ドル)ほどです。日本には和牛専門店が数多くあるため、店探しに困ることはないでしょう。あとはあなたの予算次第です。

近江牛が食べられるおすすめ店

大吉(Daikichi Restaurant)

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滋賀県で近江牛を味わうなら、「大吉レストラン」がおすすめです。最寄りの堅田駅から1駅、駅から徒歩約10分の場所にあります。ここは牛肉料理、とくに自家牧場直送の近江牛を得意とするお店です。1階は精肉店になっており、一般的な和牛から高級な近江牛まで、さまざまな部位の肉が冷蔵ケースに並んでいます。2階がレストランフロアで、卓上グリルで自分で焼きながら食べられるテーブル席と、熟練のシェフが目の前で調理してくれるカウンター席から選べます。メニューも豊富で、付け合わせや小鉢料理もたっぷり提供してくれます。 

住所は日本、滋賀県大津市今堅田2-25-11(郵便番号520-0241)です。予約をしたい場合は、電話(+81(0)77-572-1129)で問い合わせが可能です。

現在、京都を訪れるなら、多くの近江牛専門店を見つけることができます。京都での近江牛の価格は、東京と比べるとかなり割安です。京都は、近江牛の産地である滋賀県と隣接しているため、新鮮で良質な近江牛が比較的手頃な価格で提供されています。  

STEAK & WINE 肉バル銀次郎(京都駅東口店)

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「STEAK & WINE 肉バル銀次郎」は、美味しい肉料理と香り高いワインを一緒に楽しめる「肉バル」スタイルのレストランです。本店は烏丸御池にあり、そのほか京都駅前に2店舗、先斗町にも1店舗を展開しています。外観はスタイリッシュで、京都駅東口店は全22席ほどのこぢんまりとした店舗です。近江牛を使ったステーキをはじめ、多彩な牛肉メニューが評判で、「美味しいステーキを気軽に楽しめる店」として高い評価を得ています。ワインと一緒に近江牛を味わいたい方には、ぴったりの一軒です。

住所は京都市下京区真苧屋町220-1(郵便番号600-8211)。通常ランチ営業は11:30〜14:30で、日曜日も営業しています。予約をする場合は、電話(+075-353-7015)で問い合わせが可能です。

ホルモン大吾郎

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この店が人気なのは、京都らしい風情を感じながら、上質な近江牛を味わえるからです。祇園の街並みに溶け込む隠れ家風の焼肉店で、選び抜かれた高品質の肉だけが提供されています。

店舗の場所は「京都府京都市東山区祇園町北側254-9 OKIビル1階」で、予約は固定電話「+81(0)75-754-8330」にて受け付けています。

鉄板焼 葵(Teppan-Yaki Aoi)

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ここは、京都市内で初めて、さまざまな近江牛料理を提供する店として認定された鉄板焼レストランです。店内にはカウンター席があり、京都の町家を思わせる空間が訪れる人を迎えてくれます。近江牛やロブスターなど、すべての料理に使う食材を丁寧に厳選し、シェフが鉄板の上でダイナミックかつ繊細に焼き上げます。シェフのパフォーマンスも存分に楽しめるでしょう。コース料理も豊富で、誕生日や結婚記念日など、さまざまな記念日の食事にふさわしいお店です。

上で紹介した三店と比べると価格は高めで、ランチは4,598円(税込)からですが、どの料理も価格に見合う内容です。場所は「リーガロイヤルホテル京都」地下1階(〒600-8237 京都府京都市下京区)にあり、予約は固定電話「+81(0)75-361-9225」にて受け付けています。

まとめ

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近江牛は価格が想像以上に高いため、頻繁に食べるというよりは特別な機会に楽しむ牛肉と言えます。一方で、オレイン酸を多く含むなど健康的な脂質が豊富で、オレイン酸の含有量が高いほど良質な脂を摂取できるとされています。そのため、近江牛は週に一度のご褒美として食生活に取り入れることもできるでしょう。近江牛を一度味わえば、ほかの肉に対する基準がきっと上がり、二度三度とまた食べたくなるはずです。

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