おばんざいは、京都の家庭で祖母から母へ、母から娘へ、そして姑から嫁へと受け継がれてきた京都の家庭料理です。京野菜などの旬の食材を使い、食材を無駄にしない工夫を重ねながら、京都の家々に受け継がれてきた食文化でもあります。素材本来の味を生かす素朴な味付けが特徴ですが、毎日食べても食べ飽きない味付けでもあります。そのため一見するととてもシンプルですが、実は味へのこだわりと豊かさにあふれた料理だと言えるでしょう。
おばんざいとは?
おばんざい(おばんざい)は、日本の京都発祥の伝統的な料理です。代々受け継がれてきたこの特徴的な料理には、時代や好みに合わせた変化もありましたが、基本的には日々の惣菜やおかずを指す言葉として使われてきました。現在では、おばんざいは京都だけでなく、日本を代表する食文化として受け継がれています。
おばんざいを作るうえで、地元の人々が決して曲げない決まりが一つあります。それは、材料の少なくとも半分以上を京都で生産、もしくは加工されたものにするということです。本来は、すべての材料を京都で調達して初めておばんざいと呼べるものでした。しかし、食材の調達が難しい場合や料理内容の変化もあり、現在では少なくとも半分を地元のものにすることが一般的に受け入れられています。
一般的なおばんざいは、一汁一菜に副菜二品、そしてご飯一膳といった構成です。使う食材は日持ちのするものが多く、あらかじめ多めに作っておくことができます。そのため、作り置きをしておき、後日いただくこともできるのです。
おばんざいの始まりとは?

現在、「おばんざい」という言葉は主にひらがなで表記されます。しかし、1849年に刊行された日常的なおかずの記録には、もともと「番菜」という漢字で記されていました。この記録は『年中番菜録(ねんじゅうばんさいろく)』と呼ばれています。『年中番菜録』の中では、「番菜」は「ばんざい」と読まれていました。「番」は「日々、日常」を、「菜」は「おかず」を意味します。つまり、おばんざいとは「毎日の家庭料理」という意味合いを持っているのです。
おばんざいという言葉が現在のように広く知られ、そのままの読みで定着したのは、1970年代になってからと言われています。この頃は日本への旅行者が増え、観光産業が活気づき始めた時期でもありました。その少し前、1964年に刊行された書籍の中で「おばんざい」という言葉が紹介されたことも、その普及に一役買ったとされています。
おばんざいの作り方

I. 段取り(プランニング)
他の料理と同じように、おばんざい作りでも最初の段取りがとても大切です。まずどのような品数・献立にするかを決めます。一般的なおばんざいの献立は、三品のおかずと一品の汁物で構成されますが、行事や来客など用途に応じて品数を増やしたり、内容を変えたりすることもあります。また、季節や気候、その時々の状況も考慮して献立を立てます。
II. 材料をそろえる
おばんざいの主役となる食材は野菜です。もちろん、使う野菜は京都で採れた新鮮なものが基本です。また、大豆製品もおばんざいに欠かせない食材の一つです。伝統的には、川魚や塩干しの海産物などもよく使われてきましたが、現在では扱いやすさから、川魚を使うことの方が一般的になっています。塩干しの海産物よりも川魚の方が手に入りやすくなったためです。
また、かつての京都では、おばんざいを作る前に台所道具を物々交換する風習があったと言われています。調理道具だけでなく、京都府内で食材を融通し合い、取引や交渉をすることもありました。こうしたやり取りが、この料理により一層「京都らしさ」を与えています。
III. 調理
他の料理と同様に、おばんざいでもさまざまな調理法が用いられます。複数の品数で献立を構成するため、調理法も一つに限られません。焼く、蒸す、揚げる、炒める、干物をゆで戻すなど、多様な方法を組み合わせて仕上げていきます。
こうした調理法に加え、おばんざいならではの味わいを生み出しているのが、さまざまな調味料や香辛料です。代表的なものには、京都ならではの淡口しょうゆ(薄口醤油)や、白みそ(白味噌)などがあります。これらの調味料が、料理に京都らしいはんなりとした風味を与えています。

IV. 盛り付けとしつらえ
どんな料理でも、盛り付けや見せ方は料理全体の印象を左右する大切な要素です。おばんざいの場合もそれは同じですが、その魅力はあくまで「さりげない素朴さ」にあります。飾り立てるわけではないのに、どこか目を引く美しさがあるのです。料理同士の色合いの対比が食欲をそそり、思わず箸を伸ばしたくなります。さらに、形も大きさもさまざまな器やお椀を使うことで、食卓全体が一つの作品のような趣を帯びてきます。
V. 食べる
意外に思われるかもしれませんが、おばんざいでは実際に「食べる」という行為も、準備の一部だと考えられています。この料理は皆で分け合って食べることを前提とした、分かち合いの料理です。おばんざいを用意した人も、家族や仲間と一緒に同じ食卓を囲みます。おばんざいに使われる食材は日持ちするものが多いため、作った料理を保存して翌日以降に食べることもよくあります。これは、家族そろって食卓を囲むことを大切にする、多くの日本の家庭とも共通する習慣であり、家族や地域コミュニティの絆を強める役割も果たしています。
おばんざいは、食べる人にほっとする安心感とぬくもりを与えてくれます。地元で採れた食材が織りなす豊かな味わいが口の中に広がり、心に残る余韻となって、また食べたくなるような印象を残します。
VI. 後片付け
おばんざいをおいしくいただいた後は、器やお椀を丁寧に洗い、片付けます。そのうえで、次の機会にすぐ使えるよう棚にきちんとしまっておきます。こうした一連の流れまで含めて、次のおばんざいを迎える準備が整うのです。
おばんざいに込められた五つの精神的な要素とは?

京都の人々の暮らしの中で培われてきたおばんざいには、守り継がれてきた「五つの精神的な要素」があります。おばんざいを作るとき、京都の人々はこれらの要素を大切にしながら日々の料理に向き合ってきました。この精神は、価値観を形づくり、日々の暮らしの中で選択や判断を行う際の指針ともなっています。
1. ホンマモン – 価値の高い本物の食材を使うこと
2. おもてなし – 食べる人が喜び、食事を楽しみ、健康でいられるよう願いを込めて料理すること
3. 出会いもん – 特性の異なる二つ以上の食材を組み合わせ、新たなおいしさと個性を生み出すこと
4. 始末 – 食材を余すところなく使い、無駄を出さないこと
5. 塩梅 – 使う食材同士のバランスをととのえること
おばんざいの値段はどのくらい?

観光客には、おばんざいの値段はほかの日本の料理や食事と比べて少し高く感じられることが多いようです。食材の多くは京都で地元生産されたものですが、それでも価格はやや高めです。料金はおよそ400円から、高いもので6000円ほどまで幅があります。京都で食べられるほかの料理と比べるとおばんざいは割高に思えるかもしれませんが、その体験には十分に価値があります。豊かな味わいと長い伝統の歴史がある京料理なので、日本の京都府を訪れる人にはぜひ一度試してほしい料理です。
おばんざいが食べられるお店

京菜味 のむら
京菜味 のむらは、ボリュームたっぷりで食欲をそそるおばんざいで人気のお店です。品数・量ともに多めですが、野菜・魚・肉のバランスがよく、体にやさしい食事が楽しめます。
豆ちゃ
石塀小路にある豆ちゃは、京都の中でもよく知られ、訪れた人から高い評価を受けている飲食店です。本格的なおばんざいを味わえる店として多くのフードトラベラーにおすすめされています。落ち着いた雰囲気と料理の質の高さから、若いカップルにも人気があります。
おくどはん 小熊店
おくどはん小熊店が新たなおばんざいの人気店になっている理由は、リーズナブルな価格でおいしい料理が楽しめるからです。京都の寺町通と平行する通り沿いの、古い木造家屋を改装した落ち着いた空間にあります。家庭的でくつろげる雰囲気で、自宅で食事をしているような気分になれます。
たろや
たろやでは、なんと二十種類ものおばんざいが並びます。この店は炊き込みご飯でも有名で、ししとうとじゃこの炒め煮との相性は抜群です。四条駅から徒歩5分ほどとアクセスも良く、気軽に立ち寄れるお店です。
キッチンらくらく
キッチンらくらくは、京都で人気の飲食店です。おばんざいはもちろん、居酒屋メニューでも地元の人に勧められています。料理を手がけるのは店と同じくらい有名なシェフ、水渕晃さんです。妙心寺の塔頭巡りと合わせて、キッチンらくらくでの食事を楽しめば、より充実した時間を過ごせるでしょう。
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