盛岡冷麺は、岩手県盛岡市のご当地麺料理です。コーンスターチで作る強いコシのある麺、牛骨と野菜から取ったコクのあるスープ、自家製キムチをトッピングした一杯が特徴です。盛岡冷麺はもともと朝鮮半島発祥の料理で、第二次世界大戦後に盛岡で広まりました。現在、盛岡市内には冷麺専門店や焼肉店が数多くあり、地元の人にも観光客にも人気のメニューです。盛岡冷麺は、辛さやトッピングを自分好みに調整できるのも魅力です。ぜひ、盛岡の名物麺についてチェックしてみてください。
盛岡冷麺の起源

盛岡冷麺は、この地が発祥ではないものの、北東北の都市・盛岡の伝統的な料理の一つとして親しまれています。冷麺自体のルーツは、朝鮮半島北部にあります。北朝鮮・咸興出身の青木輝人(テルト・アオキ)氏が日本に伝えたとされています。彼は1954年に日本へ移住した際、この料理を持ち込み、盛岡で「食道園」という店を開きました。
当時、日本ではすでに平壌冷麺が知られていました。盛岡で生まれたバージョンは、彼の故郷の辛い味わいと、あっさりしたスープを組み合わせたものです。このスープは、平壌発祥の伝統的な冷麺から辛味を抜いたようなスタイルでした。この新しい一杯はすぐに盛岡市内で人気となり、1960年代半ばには、市内に複数の冷麺専門店が誕生し、それぞれが独自の味を競い合うようになりました。さらに1980年代半ばのグルメブームによって、盛岡冷麺は全国的にも知られる存在になりました。
盛岡冷麺の麺
盛岡冷麺の麺は、小麦粉とじゃがいもでんぷんを合わせて作られた、強いコシが特徴です。スープは牛肉や鶏肉をじっくり煮込んで取っただしで味付けし、よく冷やしてから提供します。そこに辛味のあるキムチを加えて仕上げます。お好みで酢を少量加えると、さらにおいしく味わえます。盛岡市内には、この冷麺を提供する店が約30軒点在しています。

盛岡冷麺が人気の理由
強いコシとつるりとした喉ごし
麺の特徴:麺は小麦粉とでんぷんで作られ、強い弾力とつるりとした表面が持ち味です。この食感が心地よい口当たりを生み出します。
コク深いスープ
スープの特徴:スープは牛骨や鶏ガラをベースに取った出汁で、一般的な和風だしにはないコクと旨味があります。よく冷えたスープが、コシの強い麺のおいしさを一層引き立てます。
キムチの酸味と辛味
キムチの役割:乳酸発酵させた「白菜キムチ・大根キムチ」を加えることで、さわやかな酸味と辛味、そしてポリポリとした食感がプラスされます。キムチの量を調整することで、全体の辛さも自分好みに変えられます。
多彩なトッピング
キムチのほか、牛チャーシュー、ゆで卵、きゅうりの漬物などの具材が盛られ、麺やスープとの相性も抜群です。
歴史とルーツ
1954年、朝鮮半島出身の料理人・青木輝人氏が、咸興冷麺と平壌冷麺を組み合わせる形でこの料理を生み出しました。その独自の味わいとスタイルは、多くの人に受け入れられてきました。
地元からの愛着
盛岡市民からの支持:岩手県の人々は、盛岡冷麺を味わうために焼肉店へ足を運ぶことも多く、ソウルフードとして強い人気を誇ります。盛岡三大麺の一つとしても認知されています。
素材の豊かな恵み
岩手の自然:盛岡冷麺には、豊かな岩手の自然に育まれた食材が使われています。水を含めたすべての素材を地元でまかない、そのことが味わいの深さにつながっています。
こうした要素が重なり合い、盛岡冷麺は多くの人に愛される郷土料理となっています。
盛岡冷麺のおすすめ店
盛楼閣
盛楼閣は、JR盛岡駅の向かいにある有名な焼肉店です。この店の盛岡冷麺は、並盛が1,000円、大盛が1,200円です。冷麺は店の看板メニューの一つで、ここで提供される麺は強いコシとしっかりした味わいが特徴です。スープは牛のすね肉を肉と骨ごと使って取っており、辛さは控えめながらも奥行きのある濃い味です。辛さは7段階から好みのレベルを選ぶことができます。

焼肉・冷麺 食道園
こちらは盛岡発祥の冷麺専門店です。ここでは、コシのある麺と、旨味あふれるスープの味わいと食感を楽しめます。濃厚な味わいのスープは、牛骨に牛スジと丸鶏を加え、8時間じっくりと煮込んで作られます。麺は毎日打ち立て・茹でたてです。トッピングはきゅうり、ねぎ、野菜、ゆで卵、ごまなどシンプルなものが揃っています。これらのトッピングは、スープと麺本来の味を引き立てるために添えられています。
食道園の大きな特徴のひとつは、キムチではなくカクテキを使うことです。カクテキは別皿で提供されます。もっと辛さがほしい場合は、カクテキの漬け汁をスープに加え、お好みの辛さになるまで調整してください。

ぴょんぴょん舎 稲荷町本店
こちらの店では、牛骨ベースのあっさりとしたスープに自家製キムチを合わせて提供しています。なめらかな麺がこの店の特徴です。コクのあるスープにキムチを加えるほど旨味と辛さが増していきます。さっぱりとした酸味のキムチと唐辛子の辛味、スープのとろみ、そして麺のもちっとした食感が組み合わさった一杯です。それぞれ個性の異なる味わいが、冷麺というひと皿の中で絶妙に調和します。席数に限りがあるため、訪問の際は事前予約をおすすめします。
焼肉冷麺
最高の味を引き出すため、スープ・麺・キムチはすべて店内で手作りしています。熟練の職人が、しっかりとした飲み心地と食感が楽しめるスープを丁寧に仕上げます。麺は機械ではなく職人の手打ちです。牛肉(ステーキ用の部位)や野菜などの素材を6〜7時間かけて煮込み、じっくりとスープを作り上げます。
こうして出来上がるスープは、澄んだ黄金色で、牛の旨味がぎゅっと凝縮されています。30年以上にわたり、この同じレシピを守り続けてきました。自家製キムチは、辛味と旨味のバランスが良く、地元でも評判の味と言われています。調味料にいたるまで、創業当時のレシピを忠実に受け継いでいます。牛の旨味が詰まったスープに麺がよく合い、そこに酸味と辛味のあるキムチが加わることで、後味まで格別な一杯になります。

やまなか家
やまなか家では、自家製麺を使い、盛岡冷麺の味をとことん追求していると謳っています。旨味たっぷりのスープは味がしっかりしているため、のど越しも力強く感じられるかもしれません。具材は厳選したものだけを使用し、選び抜かれた素材を8時間以上じっくりと煮込むことで、上品で奥行きのある味わいに仕上げています。キムチはすべて自家製で、盛岡冷麺のために特別に作られたものです。特徴的な辛さを持つキムチと、甘味と爽やかさを添えるきゅうりの漬物が、スープの味をさらに引き立てます。
岩手県のもうひとつの名物料理
わんこそばは、岩手県で親しまれている郷土料理です。盛岡冷麺と同じそば粉を使った麺料理ですが、わんこそばの味わいは盛岡冷麺とはまったく異なります。
岩手県で味わえるさまざまな料理を見ていきましょう。








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