福岡県にある博多は、食の街として知られています。その中でも、明月堂の「博多通りもん」は、豚骨ラーメン、明太子、うどん、もつ鍋など数々のグルメで有名なこの街を代表する銘菓として親しまれています。お土産としてもらったことがある人も多いでしょう。この記事では、博多通りもんの魅力と、そのおいしさを生み出す明月堂の職人たちのまごころあふれる物語をご紹介します。
博多通りもんとは?
博多通りもんは、1929年創業の老舗・明月堂が生み出した和洋折衷のまんじゅうです。このお菓子が誕生したのは、まんじゅうどころとして知られる福岡の地で、1993年のこと。「日本ならではの、まったく新しいまんじゅうを作ろう!」という、シンプルで情熱的な発想から生まれました。
博多通りもんの味わい
食べた瞬間の印象
通りもんをひと口かじると、まずその食感に少し驚かされます。外側の生地はやわらかく、まるでケーキのよう。重すぎず軽すぎず、絶妙なやわらかさで、舌の上でほどけるように崩れていきます。洋菓子のスポンジケーキにも似ていますが、どこか和菓子らしい、繊細で軽やかな口当たりが感じられます。
続いて現れる中身は、バターを合わせた白あんです。昔ながらのこしあんやつぶあんのまんじゅうに慣れていると、少し意外に思うかもしれません。白あんは控えめな甘さで、そこにバターのコクとまろやかさが加わり、リッチでクリーミーな味わいに。ミルクやカスタードを連想させるという人もいますが、はっきりと一言では言い表せない不思議なおいしさです。おそらく練乳のような風味もほのかに感じられ、そのおかげでどこか懐かしく、やさしいクリーミーさが広がります。
甘さと後味のバランス
特筆すべきは、そのバランスのよさです。甘さはちょうど真ん中くらいで、昔ながらの和菓子ほど控えめではなく、かといって洋菓子のようにぐっと強い甘さでもありません。しっかり満足感はありつつも、ついもう一つ、二つと手が伸びてしまうちょうどいい加減です。ふんわりとした皮と、なめらかな餡のコントラストも心地よく、やめ時がわからなくなるおいしさです。
後味は驚くほど軽やかで、くどさが残りません。ほんのりとしたバターの香りとやさしい甘さが、ふわっと口の中に余韻として広がります。まずは生地のやさしい風味、それからクリーミーな白あん、最後にバターのコクがふわりと立ち上がる――そんなふうに、味わいが段階的に広がっていくのを感じられるでしょう。
温度による違い
実は、食べる温度によっても印象が変わります。常温では生地も餡もいちばんやわらかく、風味のバランスももっともよく感じられます。少し冷やして食べるのが好きという人もいて、その場合は餡がほんの少し締まり、甘さもやや落ち着いた印象になります。軽く温めるという食べ方も耳にしますが、バターをたっぷり使っているので、やわらかくなりすぎてしまうかもしれません。
評判と人気の広がり
こうした味わいが評判を呼び、メディアで取り上げられたり、口コミで広がったりして、博多通りもんの名は瞬く間に広まりました。いまでは博多土産の定番であり、多くの人に愛されるおやつとなっています。国際的な評価も高く、世界的な食品コンクール「モンドセレクション」において、20年連続で最高金賞を受賞する快挙も達成しました。その人気ぶりは、日本のみならず、アメリカのホームパーティーで振る舞われたりするほどです。
名前の由来
ところで、「通りもん」という名前は、博多弁に由来します。博多どんたく港まつりのにぎやかなパレードで、三味線や太鼓を演奏して歩く芸人・出演者たちのことを指す言葉から取られています。
歴史

博多通りもん誕生前の構想
1980年代半ば、明月堂では「博多らしい洋風和菓子」を作ろうと動き始めました。とはいえ、最初から順調だったわけではありません。しかし、長年のファンたちは明月堂の蒸しまんじゅうのおいしさを恋しがっており、その声が職人たちの創作意欲に火をつけました。お客様との深いつながりがきっかけとなり、「時間が経つほどおいしくなり、しかも原料にも徹底的にこだわったまんじゅうを作ろう」という、明確な目標を掲げたプロジェクトがスタートします。
要となったのは、厳選された高品質な材料でした。バター、牛乳、卵を取り入れることで、まんじゅうのクオリティを一段と引き上げたのです。なめらかでコクのある食感を出すために生クリームを加え、元気な鶏が産んだ、色鮮やかな黄身の卵だけを選び抜きました。さらに白あんに使う豆も、形や大きさが揃ったものだけを選別するという徹底ぶりでした。
博多通りもんの誕生
こうして生まれた博多通りもんですが、その完成までの道のりは決して平坦ではありませんでした。何度も試作と試食を重ねた末、従来のまんじゅうとは一線を画す特別な一品が生まれます。時間が経つと皮と餡が離れてしまいがちな一般的なまんじゅうとは異なり、通りもんは外側の生地と中の餡がなじみ合い、時間とともによりおいしくなるよう工夫されています。その完成度とこだわりから、「名菓まんじゅう」と名付けられ、お客様に「本当においしいもの」を届けるため、妥協なく作り上げられた特別なお菓子として世に送り出されました。
そして1993年(平成5年)、博多通りもんはついに発売されました。福岡空港では販売初日から予想を上回る売れ行きを見せ、完売となったといいます。名前は、日本有数の祭りである「博多どんたく」の前身である行列「通りもん」にちなんで名付けられました。その人気は海外にも広がり、アメリカのパーティーで振る舞われたり、イギリスではバレリーナたちの間で評判になったりと、国境を越えて愛されるお菓子となりました。
国際的評価と現在の博多通りもん
博多通りもんの優れたクオリティは、日本国内にとどまりませんでした。2001年にモンドセレクションで金賞を受賞して以来、20年以上にわたり最高金賞を受賞し続けています。そのほかにも、名誉総裁賞や茶道家元賞といった栄えある賞を受賞しています。
今や博多通りもんは、博多の食文化を代表する銘菓として、日本はもちろん世界各地で親しまれています。明月堂の、品質への妥協なきこだわりとたゆまぬ挑戦は、菓子作りの世界に確かな足跡を刻んできました。80年以上にわたる歴史と「最高のおいしさを届ける」という約束を胸に、明月堂はこれからも独自性と高品質を兼ね備えた「博多西洋和菓子」を作り続け、創業100年、その先へと受け継がれるおいしさを目指しています。
博多通りもん Q&A
- What sets Hakata Torimon apart from other manju?
博多通りもんが特別なのは、その革新的な発想にあります。時間が経つと皮と餡がなじみ合い、一般的なまんじゅうのように離れてしまうどころか、むしろおいしさが増していくという、従来の常識をくつがえすつくりになっているのです。さらに、モンドセレクションで20年以上連続して金賞を受賞するなど、国際的にも高い評価を受けています。バター、牛乳、卵といった厳選素材を贅沢に使うことで、なめらかな口当たりと格別の味わいを実現しています。
- Where can you find Hakata Torimon today?
博多通りもんは、日本国内だけでなく海外でも手に入ることがあります。特に空港などでよく販売されており、旅行者のお土産として選ばれる定番商品です。また、アメリカをはじめとする海外のホームパーティーでも人気を集めており、イギリスのバレリーナたちの間でも親しまれています。
博多通りもんの作り方
材料
| 材料(4個分) | 分量 |
|---|---|
| 生地 | |
| 薄力粉 | 60g |
| ベーキングパウダー | 小さじ1/2 |
| 練乳 | 50g |
| 卵黄 | 10g |
| バターミルクあん | |
| 白あん または こしあん | 80g |
| バター または マーガリン | 5g |
| 練乳 | 1g |
作り方
バターミルクあん、室温に戻したバター、練乳をよく混ぜる。
ボウルに、生地用の練乳と卵黄を入れ、泡立てないように注意しながら混ぜる。
薄力粉とベーキングパウダーを合わせてふるい、STEP2のボウルに加えて混ぜ合わせる。
STEP3の生地を棒状にまとめ、ラップで包んで冷蔵庫で約30分冷やす。
冷やした生地を切り分け、打ち粉をしながら薄くのばす。
STEP1で用意したあんを、薄くのばした生地の上にのせる。
あんを生地で包み、とじ目を下にして形を整え、天板に並べる。表面に軽く押さえてから霧吹きで水をかけ、予熱したオーブン180℃で15〜20分焼く。
焼き上がったら、すぐには食べずに、ラップで包んで常温で一晩〜二晩おく。そうすることで生地がしっとりして食べごろになる。
博多通りもんの完成です! いただきます!
調理のコツ
博多通りもんをさらにおいしく仕上げるために、次のようなアレンジもおすすめです。
あんのアレンジ
白あんがない場合は、こしあんでもおいしく作れます。通りもんとはまた違った風味が楽しめます。
蒸し工程をプラス
蒸し器がある場合は、博多通りもんを軽く蒸してから、予熱したオーブン180℃で5〜10分、霧吹きなしで焼いてみてください。生地を扱いやすくするために、手に粉をつけてもよいでしょう。生地を薄めにのばして、あんをたっぷり包むと、より本物らしい見た目になります。市販の白あんでも、手作りの白あんでもOKです。さらにおいしく、きれいに仕上げたい場合は、一度蒸してから焼く二度工程がおすすめです。
このレシピは、あくまで本家の味を再現することを目指したものであり、メーカー公式レシピではありません。ご家庭で手作りされる際の参考レシピとしてご利用ください。
購入できるお店
明月堂(名月堂)

明月堂は、最高の博多通りもん作りに誇りを持つ、著名な和菓子メーカーです。日本各地に広がる店舗網を通じて、誰もが虜になるこのお菓子作りの技を磨き上げてきました。品質への揺るぎないこだわりと革新的な姿勢により、明月堂は博多通りもんの世界をリードする存在となっています。一口頬張れば、博多の真髄がぎゅっと詰まった味わいを感じられ、本場ならではの上質で格別な美味しさを求める人にとって、明月堂は欠かせない名店と言えるでしょう。
さらに明月堂は、魅力的な商品を数多く揃える老舗企業であり、その店舗は日本全国に広く展開されています。各地の店舗情報や、他にもどのような美味しいお菓子があるのか知りたい方は、こちらをクリックして詳細をご覧ください。
まとめ
結論として、博多通りもんは世界中の人々に愛されている日本の銘菓です。その生みの親である明月堂は、常に品質と卓越した美味しさを追求してきました。モンドセレクション金賞をはじめとする数々の受賞歴が、その人気を物語っています。博多通りもんは今や、多くの人に親しまれるお菓子として、明月堂の変わらぬお菓子作りへの情熱とこだわりを体現しています。どこにいても、この魅力的なお菓子を一度味わってみてはいかがでしょうか。この記事の簡単レシピを使って、ご自宅で作ってみることもできます。
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