おにぎり、寿司、焼肉などの人気の料理に加えて、日本の食文化を語るうえで欠かせないのが、見た目も美しく上品な甘さが特徴の伝統菓子「和菓子」です。皆さんは、どのような和菓子を聞いたことがありますか?食べたことがありますか?今回は、和菓子の中でも特に人気の高い「栗饅頭(くりまんじゅう)」をご紹介します。一年を通して販売されていますが、実は秋こそが栗饅頭の“特別な季節”だということをご存じでしょうか?この記事では、この伝統的な饅頭の魅力を詳しくお伝えします。
栗饅頭とは

栗饅頭は、日本の菓子である和菓子の一種で、栗にちなんだ饅頭(まんじゅう)または焼き菓子です。基本的には、甘い餡を包んだ日本の蒸し菓子「饅頭」の一種です。餡には主に白餡(白いんげん豆の餡)が用いられ、そこに栗餡を混ぜ込むことも多くあります。白餡と甘く煮た栗を生地で包み、表面に卵黄を塗って焼き上げることで、栗の形と色を模しているのが特徴です。多くは一年中販売されていますが、新栗が収穫できる秋の時期にだけ作られる栗饅頭もあります。
やさしい甘さの奥にある複雑さ
味わいはとてもやさしく、どこかほっとする甘さです。洋菓子に慣れている方には、甘さ控えめに感じられるかもしれません。白餡(しろあん)は、赤い小豆餡に比べて甘さがより繊細で、舌触りはなめらか、クリーミーです。ほのかにバニラを思わせるようなまろやかさがあり、しつこさのない上品な甘みが口に広がります。
ここに栗餡が合わさることで、味に一層の深みが生まれます。栗ならではのほっくりとした香ばしさとコクが白餡の甘さをほどよく引き締め、絶妙なバランスを生み出します。栗そのものにも自然な甘さがありますが、それは砂糖の甘さとは少し違う、どこか素朴で滋味深い甘みです。
さらに、中に忍ばせた丸ごとの栗は、まさに“宝物”のような存在です。そこにかじりつくと、ほっくりとした栗本来の風味がふわっと広がり、甘さの中にほんのりとした粉質感が感じられます。初めて栗饅頭の中で丸ごとの栗に出会ったときは、正直なところ驚かされました。周りの餡とは明らかに違う食感で、「今、何をかじったんだろう?」と思ったほどです。
ふんわり生地となめらかな餡
外側の生地はやわらかくふんわりとしており、かじるとすっと歯が入る軽やかさがあります。蒸して仕上げるため、ほどよいしっとり感があり、ベタつくわけではありませんが、一般的な焼き菓子よりもしなやかでソフトな口当たりです。わずかにもちっとした噛みごたえもありますが、「もちもち」と言うほど強いものではありません。
内側の白餡は驚くほどきめ細かく、まさにシルクのようななめらかさです。舌の上でとろりと広がり、ほとんどざらつきを感じさせません。豆の餡と聞くと、つぶつぶ感やざらっとした舌触りを想像するかもしれませんが、上質な白餡は豆の粒を感じさせないほど丁寧に裏ごしされています。
そこに加わる栗のかけらが、食感のアクセントになります。餡がなめらかなのに対して、栗はややほっくりとした粉質感があり、密度も感じられます。生の栗よりは柔らかく煮てありますが、しっかりと形を保っており、この“違い”が一口ごとに楽しさを与えてくれます。
また、表面に塗られた卵黄が焼き上がることで、ごく薄く、わずかにハリのある皮のような層が生まれます。ほとんど意識しないほどの薄さですが、柔らかな生地にほんの少しだけ輪郭を与える役割を果たしています。
語源・名前の由来

栗饅頭は日本語で「栗饅頭」と書きます。「栗」はそのまま“Chestnut(栗)”を意味します。「饅頭(まんじゅう)」は、日本で非常にポピュラーな蒸し菓子の和菓子の一つで、中には通常、こし餡などの小豆餡や、ほかの甘い餡が詰められています。したがって「栗饅頭」とは、数ある饅頭のバリエーションの中でも、“栗を使った饅頭”という意味になります。
栗饅頭の歴史とは?

栗饅頭の起源については、はっきりとは分かっていません。安土桃山時代に伝来したほかの和菓子と比べると、その歴史は比較的新しいと考えられています。しかし、江戸時代には、各地で特徴ある菓子が作られるようになり、庶民の間で親しまれるようになりました。地域ごとにさまざまな饅頭が作られるようになり、そのバリエーションの一つとして“栗をかたどった饅頭”が登場したとされています。
さらに、明治時代中期には、九州地方で二つの“元祖・栗饅頭”とも言える菓子が生まれました。一つ目は、北九州市・小倉の名物となった楕円形の栗饅頭です。これは、日清戦争や日露戦争の時代に、勝ち栗(かちぐり)で包んだ饅頭を販売したことで評判を呼びました。
もう一つは、長崎発祥の“栗の形をした饅頭”です。こちらは日露戦争の勝利を祝う菓子として作られ始めました。当初は中に栗を入れていませんでしたが、のちに栗を饅頭の中に入れ、栗型の型で焼くようになり、現在では長崎市を代表する銘菓となっています。これら二つは、いずれも現在の栗饅頭を代表する存在として知られています。
栗饅頭にはどんな種類がある?

現代の栗饅頭には、大きく分けて二つのタイプがあります。一つ目は、栗を使った餡(栗餡)を詰めた饅頭です。もう一つは、表面に卵黄を塗って焼き上げることで、色や見た目を栗に似せたタイプです。さらに、この二つの特徴を兼ね備えた、栗餡を使い、かつ栗のような見た目に仕上げた栗饅頭も存在します。
饅頭とは?

饅頭は、日本の伝統的な小麦粉をベースとした菓子です。多くの種類で、生地には小麦粉のほか、米粉、葛粉、そば粉などが用いられ、中には砂糖とともに煮た小豆で作る餡(あんこ)が詰められます。場合によっては、栗ジャムを詰めた「栗饅頭」のように、ほかの餡を使うこともあります。もともとは中国で「饅頭(マントウ)」と呼ばれていたものが、日本に伝わる過程で「饅頭(まんじゅう)」として定着しました。1341年、遣明使として中国に渡った日本人が饅頭を持ち帰り、「奈良饅頭」として売り出したのが始まりとされています。
これが日本における饅頭の起源だと言われています。その後、約700年もの間、日本人に親しまれてきました。現在では、多くの和菓子店で見かけることができます。また、比較的手頃な価格で買えることも、饅頭が広く人気を集めている理由の一つです。
栗饅頭の主な材料

| 材料: | |
| 薄力粉 | 100 g |
| 砂糖 | 40 g |
| バター(無塩) | 10 g |
| 溶き卵 | 40 g |
| 重曹 | 1/2 tsp |
| 白あん | 180 g |
| 栗 | 10 個 |
| 卵黄 | 1 個 |
| みりん | 1/4 小さじ |
| ケシの実 |
栗まんじゅうのレシピは?

まずオーブンを180度に予熱します。大きなボウルにバター・白あん・砂糖を入れて混ぜ、溶き卵を少しずつ加えます。砂糖が完全に溶けるまで、弱火で生地を加熱します。
薄力粉とベーキングパウダーを一度にふるい入れ、粉っぽさがなくなるまで混ぜます。ラップをかけて20〜30分ほど休ませます。打ち粉をした台の上で生地をこね、こねた生地を適当な大きさに分けます。
その後、白あんと刻んだ栗を混ぜ合わせます。これが中身になります。中身を等分して丸めます。
分けておいた生地を、あんを包める大きさに丸く伸ばし、中身を包み込みます。栗の形になるように整え、オーブンシートを敷いた天板に並べます。
卵黄とみりんで作った仕上げ用の卵液を、生地の表面に薄く塗ります。お好みで、ケシの実を片側に少量のせても構いません。350F(180C)のオーブンで18〜20分焼きます。
栗まんじゅうのおすすめ店は?

湖月堂 本店喫茶
こちらの店にはオンラインショップもあり、詰め合わせの栗まんじゅうを購入できます。餡はしっとりやわらかく、その中に栗が練り込まれています。形・色・食感を大切にした独自の製法は、創業当時から変わらず受け継がれています。現在、湖月堂でははちみつ漬けの栗を使用しています。
田中旭栄堂
長崎歴史文化博物館近くにある、栗まんじゅう専門の和菓子店で、長崎でも有名な土産物店の一つです。創業は明治31年。抹茶、梅、栗チョコレートなど、さまざまな種類の栗まんじゅうを販売しています。日本全国からオンラインショップで注文することができます。
たねや
創業以来、たねやの栗まんじゅうは多くの人に愛され続けています。栗を包んだ白あんがしっとりとしてコクのある味わいです。クラブハリエ内のオンラインショップでも、栗まんじゅうの詰め合わせを注文できます。たねやでは、創業時から守り続けてきた変わらない味を楽しむことができます。
すや
こちらの店では、栗まんじゅうを11月下旬から8月にかけて販売しています。栗まんじゅうは、高級感と上質さを感じさせる味わいです。すやはこの地域でも老舗の一つで、栗納豆など栗を使ったさまざまな和菓子をオンラインショップからも注文できます。
赤坂青野製菓
明治時代から続く老舗です。看板商品は栗まんじゅうで、餡のほどよい甘さとはちみつ漬けの栗が特長です。赤坂青野では、栗をはちみつで煮て、餡との調和を考えながら仕上げています。公式サイトのオンラインショップからも、高品質な栗まんじゅうと絶妙な味わいを楽しむことができます。
まとめ

まとめとして、栗まんじゅうは長崎県、九州地方、そして日本全国で人気の和菓子となっています。現在では、スーパーやコンビニエンスストア、一部のお土産店などで購入できます。明治時代から受け継がれてきた栗まんじゅうの味は、素朴で優しく甘く、他にはない独特のおいしさがあります。どんな味なのか気になる方も多いと思いますが、中に入った栗と白あんの組み合わせは、口の中でとろけるような上品な甘さです。実は、栗まんじゅうにはほかにもさまざまなフレーバーがあります。そして、今でもお茶やコーヒーとの相性は抜群です。栗は健康面でもうれしい効果があり、加熱後も抗酸化物質を多く含む優れた食品です。近いうちに日本を訪れる際には、ぜひお土産に栗まんじゅうを買うのをお忘れなく!







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