今回は、兵庫県姫路市のご当地グルメ「姫路おでん」をご紹介します。では、姫路おでんとは何でしょうか。生姜醤油をつけて食べるおでんのことで、じっくり煮込んだ関東風でも、あっさりした出汁のおでんでも、生姜醤油を合わせて食べれば、それは姫路おでんです。具材は大根・卵・こんにゃくなど、一般的なおでんと変わりません。15年ほど前までは「姫路おでん」という名称はありませんでしたが、近年になってご当地グルメの頂点を競う「B-1グランプリ」などで名前が知られるようになりました。さあ、そんなおでんのどこがユニークなのか、詳しく見ていきましょう。
起源・歴史的背景
姫路おでんが生まれた時期ははっきりしていませんが、約80年前にさかのぼると言われています。戦時中から戦後の食糧難の時代、鍋物のおでんを煮込みすぎてしまい、そこに誤って生姜醤油をかけたのが始まりとする説もあります。また、すでに屋台で提供されていた、あるいは昭和初期からおでんに生姜醤油を合わせて食べていたという話もあり、起源は定かではありません。おでんは、卵・大根・こんにゃく・練り物などの具材を、薄口醤油ベースのだし汁で煮込んだ鍋料理です。多くの地域では、からしを添えて食べるのが一般的ですが、兵庫県姫路市とその周辺(加古川〜相生あたり)では、おでん全体に生姜醤油を合わせて食べるのが特徴です。

さらに、姫路市に隣接するたつの市や姫路は醤油の産地であり、姫路市白浜地区は昭和初期まで生姜の産地として知られていました。そうした地域の食材を生かした独自の食べ方として生まれたのが、このスタイルです。この地域では、古くからおでんに生姜醤油をかけて食べる習慣がありましたが、「姫路おでん」と呼ばれるようになったのはごく最近のこと。姫路やその周辺ではあまりにも当たり前の食べ方だったため、長らく注目されることもありませんでした。2006年に「姫路おでん探検隊」がこれを「姫路おでん」と名付けたと言われています。現在では、姫路を代表するご当地グルメとして注目を集めています。
姫路おでんはどう作る?
作り方
具材は、大根・卵・ごぼ天・こんにゃくなど、一般的なおでんと同じです。ここに、姫路名物のかまぼこや、姫路近海でとれたタコなどを加えます。昭和初期の姫路周辺では、濃い口醤油でしっかり味付けした関東風の「関東炊き」の出汁を少し薄め、そこに生姜醤油をかけておでんを食べていました。その後、関西風のあっさりしたおでんが登場し、生姜醤油はおでんに直接かけるのではなく、小皿に別添えして供されるようになります。生姜醤油は、濃口醤油におろし生姜を好みの量だけ混ぜ合わせたものです。
お店によっては、みりんや酒を加えて一度煮立たせ、オリジナルの生姜醤油に仕上げるところもあります。おでん自体の作り方は一般的なおでんと変わらず、家庭や飲食店によって、あっさりした関西風のだしと、醤油とみりんでしっかり味付けした関東風のスタイルを、好みに応じて組み合わせています。いずれにしても、生姜醤油をつけて食べれば、それが姫路おでんです。
姫路おでんのユニークな点は?

姫路おでんで最も特徴的なのは、生姜醤油そのものです。おでんに生姜醤油をかけて食べるスタイルは、姫路を中心とした兵庫県内でのみ一般的とされ、昭和初期(1920年代半ば)に始まったと言われています。また、お店によって姫路おでんの出し方もさまざまです。生姜醤油で食べるものもあれば、酒蔵の酒粕をのせて提供するものもあります。実際に姫路おでんを食べてみると、見た目ほど味は濃くなく、むしろおでん自体は醤油に染まりすぎておらず、とてもあっさりとした味付けだとわかるでしょう。
姫路おでんのおすすめ店
姫路おでんの魅力をじっくり味わいたい方に向けて、そのおいしさや個性をしっかりと伝えてくれるおすすめのお店をご紹介します。
のこ 料理店

カウンター席中心の落ち着いた空間で姫路おでんを味わいたいなら、「のこ」はおすすめのお店です。昆布だしのあっさりとしたつゆで煮たおでんに、生姜醤油を別皿で添えて提供してくれます。黄金色に輝く自慢のだしは、創業当時から変わらないやさしい味わい。かつおと昆布でとった関西風のだしはとても軽やかで、具材を食べ終えたあとにそのまま飲み干せるほどです。地元でも人気の高い、おでん専門店です。店名の由来は、昔このあたりで「のこ島」と呼ばれる場所で人々がよく遊んでいたことから来ていると言われています。
灘菊 かっぱ亭

「酒蔵通り 灘菊かっぱ亭」は、灘菊酒造直営の店で、一品料理や日本酒はもちろん、姫路おでんも楽しめます。関西のローカルメディアでもたびたび紹介される人気店です。おでんは「黒おでん」と「白おでん」の2種類。黒おでんには、九島醤油を使った生姜醤油をかけて提供します。一口食べると、生姜醤油の風味が口いっぱいに広がります。白おでんは、酒粕ベースの味わいで、お好みで七味唐辛子をふりかけることもできます。日本酒との相性も抜群です。串の内容は日によって変わりますが、黒・白ともに具材の構成は同じです。
留さん

「留さん」は、地元客だけでなく観光客にも広く知られており、芸能人やアスリートなど著名人も多く訪れる人気店です。予約必須の有名店として知られています。看板には地鶏の炭火焼が掲げられていますが、焼き鳥だけでなくおでんも高く評価されており、「姫路おでん発祥の店」と語る地元の人もいるほどです。世界遺産であり国宝でもある姫路城のすぐ近く、今の場所で店を構えてからすでに57年余り。代々受け継がれ、60年以上おでんを作り続けてきた老舗です。
甘く濃い出汁で約3日間じっくり煮込まれたおでんは、非常にコク深い味わいです。ここでは、生姜醤油をかけてから提供するスタイル。濃厚な出汁の旨みと、生姜醤油のキレのある風味が合わさり、一度食べるとやみつきになるおいしさです。
姫路地酒と姫路おでん 本舗

約120席のフードコート形式で、ゆったりとした広い空間が魅力です。荷物が多いときやベビーカー連れでも気軽に立ち寄れます。「姫路おでん本舗 5種盛り」(500円)は、好みの具材を5種類選べる人気メニュー。中でも、地元食材である姫路れんこんのシャキシャキ感が楽しい「官兵衛れんこんスティック」や、姫路城をかたどった「城こんにゃく」が好評です。こんにゃくの鯛の部分は当初はなく、現在の形に改良されたもの。生姜醤油に使う生姜は、市川町の白井農園産です。しっかりとした味わいながら、和風おでんの風味を損なうことなく、口の中に香ばしさと余韻を残してくれます。
よくある質問(FAQ)
Himeji Oden (姫路おでん) FAQ
- What is Himeji Oden?
姫路おでんは、兵庫県姫路市発祥のご当地おでんです。一般的なおでんとよく似ていますが、「生姜醤油をつけて食べる」ことが大きな特徴です。
- How is it different from regular oden?
通常のおでんは、からし(karashi)をつけて食べるのが一般的です。姫路では、そこに特製の生姜醤油を加えることで、体がぽかぽか温まるピリッとした味わいになります。
- What ingredients are in Himeji Oden?
大根、卵、こんにゃく、豆腐、練り物など、一般的なおでんと同じような具材を、あっさりとしただしでじっくり煮込んでいます。
- When do people eat Himeji Oden?
体が温まる料理として秋冬に特に人気がありますが、姫路市内の多くの居酒屋や飲食店では一年を通して提供されています。
- Where can I try Himeji Oden?
地元の居酒屋や和食店のほか、姫路城周辺や商店街近くの屋台・飲食店などで味わうことができます。
- What does it taste like?
だしはやさしい味わいで、旨みがしっかり感じられます。そこに生姜醤油を合わせることで、キリッとさわやかな風味が加わり、姫路おでんならではの味になります。
- Is it spicy?
それほど辛くはありません。生姜醤油は、ピリッとした辛味と香りはありますが、舌が痛くなるような辛さではなく、体がほっと温まる程度です。
- Is it vegetarian-friendly?
豆腐やこんにゃくなど、具材の一部はベジタリアン向きですが、だしは一般的に魚介系のだしを使います。ベジタリアンの方は、注文時に対応可能かどうかお店に確認すると安心です。















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